屯鶴峯

屯鶴峯

奈良県香芝市(かしばし)、奈良県道703号(香芝太子線)沿いにある標高154mの峰が、屯鶴峯(どんづるぼう)。遠くから見ると白い鶴が屯(たむろ)しているような奇観が名の由来で、1500万年前の二上山(にじょうさん)の火山活動によって流出した火砕流や火山灰などに由来する地形です。

奇岩露頭の峰の下には全長2kmの防空壕も

讃岐岩(サヌカイト)の産地でもある二上山ですが、その火山活動の流出物が海底に堆積、隆起して浸食された地形が、屯鶴峯。
白く見えるのは火山ガラスの成分が多い白色凝灰岩だから。

二上山の第二十六経塚から亀の瀬に至る、古代の大坂越え(田尻峠越え・長尾街道)の道筋にもあたり、葛城修験(かつらぎしゅげん=役行者が最初に修行を積んだのが葛城山)の行場ともなっていたことから、日本遺産「葛城修験」の構成資産にもなっています。

サウスダコタ州のバッドランズ国立公園に代表されるバッドランド地形(badlands=悪地地形)で、関西では六甲山麓の蓬萊峡(ほうらいきょう)、芦屋ロックガーデンが有名です。

二上山の石切場から切り出された石材は、高松塚古墳に使われてもいますが、屯鶴峯の麓にも石切り場があり、石材を搬出していました。
また第二次世界大戦中には、最後の抵抗の拠点とするため、陸軍がその岩盤を掘って2kmにも及ぶ網の目状に防空壕が築かれ(屯鶴峯旧日本陸軍地下壕=航空総軍戦闘指令所などの軍事施設が移設する前に終戦に)、戦後はその一部が京都大学防災研究所附属地震予知研究センター屯鶴峯観測所の地震予知を目指す研究のための地殻変動観測坑道として活用されています(崩落の危険もあるため、入坑見学は不可)。

ハイキングの場合は、近鉄南大阪線二上山駅から徒歩40分。
近鉄南大阪線上ノ太子駅、近鉄大阪線二上駅もしくは関屋駅からも到達できます。
車利用の場合は、奈良県道703号(香芝太子線)沿いにどんづる峯専用駐車場が用意され、徒歩5分ほどで登山口。

屯鶴峯
名称 屯鶴峯/どんづるぼう
所在地 奈良県香芝市穴虫地内
関連HP 香芝市公式ホームページ
電車・バスで 近鉄二上山駅から徒歩40分。近鉄二上駅から40分。近鉄関屋駅から徒歩45分
ドライブで 南阪奈道路太子ICから約2km。西名阪自動車道柏原ICから約4km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 香芝市商工観光課 TEL:0745-76-2001/FAX:0745-78-3830
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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