白久保のお茶講|中之条町

白久保のお茶講

毎年2月24日、群馬県中之条町の「お茶講の家」で『白久保のお茶講』が行なわれます。『お茶講』は、渋茶(煎茶)、甘茶、陳皮(みかんの皮を干したもの)を煎り粉にして4種類のブレンド茶を作り、それを飲み当てるもの。毎年2月24日に、白久保天満宮祭礼の宵祭りとして行なわれ、「上州白久保のお茶講」として国の重要無形文化財に指定。

「ハナカツギ」(全問正解)を目指して利き茶に奮闘!

渋茶(煎茶)、甘茶、陳皮を焙烙(ほうろく)で煎り、調合割合によって一ノ茶、二ノ茶、三ノ茶、客という4種の茶を調整し、順不同で7回(一ノ茶から三ノ茶を2回、客を1回)飲んで、出された茶の名を当てるもの。
「お茶講連名帳」が用意され、「勝」と呼ばれる書記係が参加者の名前と回答を記録していきます。
参加者は、お茶講の間にだけ「花、鳥、風、月、金、銀、大豆、蕎麦、葱」などの名で呼ばれ、その名が「お茶講連名帳」に記載されます。

正解発表の際、正解者には景品となる菓子(チョコレートや飴)が配られますが、正解者全員に配分するスタイルのため、正解者が少なければ多く貰える仕組み。
正解の数によって「イチポ」(1問正解)、「フクベ」(2問正解)、「カラカサ」(3問正解)といった名で呼ばれ、「ハナカツギ」(全問正解)、あるいは「サカサッパナ」(全問不正解)の年は良い年になるといわれています。

白久保のお茶講がいつ頃から行なわれているのかは定かでありません。
寛政11年(1799年)の「御茶香覚帳」の記録と現在の記録方法が同じことから、古くから行なわれていたことがわかっています。

お茶講(講=寄り合い)は、茶会の一種で、茶の香りや味を当てる「闘茶」(茶勝負)形式をよく残している貴重な行事です。

闘茶は、南北朝時代から室町時代に盛んに行なわれ、足利政権の立役者となった婆娑羅大名(ばさらだいみょう)としても知られる佐々木道誉(ささきどうよ=京極高氏)は莫大な景品を賭けて「百服茶」(闘茶=10服×10回の勝負=100服)の宴を催しました(『太平記』による)。
京の都には闘茶が大流行したたため、建武3年11月7日(1336年12月10日)に出された『建武式目』にも茶寄合(闘茶)禁止令が加えられています。

群馬県吾妻地方には「お茶講」と呼ばれる茶の飲み分けを競う習俗が分布していましたが、多くはすでに消滅。
現在、中之条町では白久保お茶講保存会により伝承されており、事前予約で体験も可能です(中之条町観光協会に問い合わせを)。

白久保のお茶講|中之条町
開催日 毎年2月24日
所在地 群馬県吾妻郡中之条町五反田
場所 お茶講の家
関連HP 中之条町観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR吾妻線中之条駅からバスで15分
ドライブで 渋川伊香保ICから約27km
問い合わせ 中之条町教育委員会 TEL:0279-76-3111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

画像協力/ググっとぐんま観光宣伝推進協議会

 

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