西武特急「ニューレッドアロー」、まもなく乗り納めに!?

ニューレッドアロー

西武鉄道の特急といえば、西武池袋線の「ちちぶ号」などに使用される「Laview」(ラビュー)が注目されていますが、西武新宿線にも特急が走っています。こちらが西武新宿駅〜本川越駅を結ぶ特急「小江戸」で、「ニューレッドアロー」を使用。この「ニューレッドアロー」がまもなく乗り納めになるかもしれません。

西武新宿線はライナー型車両に置き換えを計画!

ニューレッドアロー
10000系「ニューレッドアロー」の車内

西武鉄道の特急といえば、「レッドアロー」(Red Arrow)ですが、池袋線、新宿線の両方に使われた初代の5000系「レッドアロー」は平成7年に引退。

現在運用されるのは2代目の「ニューレッドアロー」で、10000系。
池袋線・秩父線ではでは「Laview」(ラビュー)の登場で令和2年に運転を終了、現在走っているのは新宿線のみとなっています。

「ニューレッドアロー」は、平成5年に登場した車両で、コンセプトは「ゆとりとやすらぎの空間」。
通勤特急としてのイメージアップを図るため、シートの間隔を1070mmと広く取り、定員も5000系の6両編成で定員400人に対し、7両編成で406人と余裕を持たせています。
首都圏を走るJR東日本の普通列車グリーン車は970mmなので比べても100mm広いということに。
東北新幹線E5系や上越・北陸新幹線E7系の普通車は、シートピッチが1040mmなので、それよりも30mm広い設計です。

後発の「Laview」(ラビュー)もシートピッチは同じで1070mm。
このゆったりさが西武特急の標準仕様ということに。

10000系「ニューレッドアロー」を使った新宿線特急「小江戸」は、30分〜1時間間隔で頻発。
西武新宿駅と本川越駅を45分ほどで結んでいます。
これだけ頻繁に運転されるのは、観光だけでなく、通勤通学、買い物などに使われているから。
西武新宿駅〜本川越駅を通しで利用しても特急券は300円という手頃さなのです。

ここで注目したいのは、西武鉄道のは2025年度鉄道事業設備投資計画。
沿線価値向上の施策のひとつとして「新宿線有料着席サービスの刷新」を掲げ、現在使用する10000系ニューレッドアローに関しては、「ライナー型車両に置き換え、停車駅など運行形態も変更しサービスを刷新」としているのです。

ライナー型車両は、「拝島ライナー」(西武新宿駅〜拝島駅)、「S-TRAIN」(平日は豊洲駅まで乗り入れ、土休日に西武秩父駅〜元町・中華街駅)という座席指定制の有料列車。
クロスシートとロングシートに転換可能なデュアルシート機構を備えた西武40000系0番台で、座席指定の場合にはクロスシートで運用されるもの。

新宿線には2026年度に「ライナー型車両」を導入するとしているので、新宿線からニューレッドアローが消える日も近いのかもしれません。
西武鉄道は、SDGsへの貢献を加速し、2030年度までに保有車両のVVVF化(VVVF=可変速駆動するためのインバータの制御技術)100%にするという目標があり、10000系「ニューレッドアロー」は最後に追加された5次車(10112編成)を除いて非VVVFなので、近い将来、全廃の可能性も(先代の5000系レッドアローと同様、一部は富山地方鉄道に譲渡される可能性も)。

7両編成計12本が製造された10000系も順次廃車が進み、現時点で残るのは5本のみ。
2026年度以降、新車が導入されるという新宿線ですが、川越市民にとって馴染みの深い「小江戸」という名前ははたして存続するのかというのも興味深いところ。
川越ライナーに置き換わるのかもしれませんが、「「10000系の今後の活用については、まだ未定」とのことです。

拝島ライナー
拝島ライナーなどに使われる西武40000系0番台
西武特急「ニューレッドアロー」、まもなく乗り納めに!?
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