佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館

佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館

大正9年に建てられた旧宿根木小学校校舎を再生し、漁具や船大工の道具、民具など約3万点の資料を収蔵する佐渡国小木民俗博物館。小木に住む人々が漁具や農具などを持ち寄り開館した素朴な博物館で、北前船が寄港し、佐渡の金銀を積み出した小木らしい内容となっています。併設の「千石船展示館」では千石船を実物大で復元展示しています。

「千石船展示館」では千石船「白山丸」を展示

佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館
佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館

「千石船展示館」に展示される「白山丸」は、安政5年(1858年)に、宿根木で造られた全長24mの千石船「幸栄丸」を当時の板図をもとに実物大で復元、展示する施設。
白山丸と名付けられたのは地元の鎮守社・白山神社から。
白山丸の内部に入ることができるので、荒海を超えて松前・江差まで航海した北前船の実際のスケールがよくわかります。
全長23.75m、最大幅7.24mで、積石数512石積(77t積み)。
それでも帆は21反、広げれば畳160枚分もの大きさがあります。
厳密にいえば千石船ではなく五百石船となりますが、北前船の大型化とともに江戸時代後期に千石船が一般化すると弁財船の俗称として千石船といわれるようになりました。
また、21反という帆の広さ、船の全長などはほぼ千石船と同じで、スケール的にも大差はありません。

弁財船と呼ばれる北前船の特長は、(1)積載量を増やすための胴が太い肥満型、(2)荒波を乗り越えるために船首と船尾がせり上がっている、(3)積み荷の転落防止や波除けに蛇腹垣が付いている、(4)舵が巨大という点にあります。

中世に出雲崎から廻船業者が移り住み、南佐渡最大の湊として繁栄した宿根木(しゅくねぎ)ですが、近世になって佐渡金山の積出港が小木に移ると、生き残りをかけて、独自に千石船を造船し、航路や商圏を開拓していきました。
宿根木には全国から船大工が集まり、船大工の多い湊町として発展したのです。

千石船も明治18年に明治政府が500石以上の和船の造船を禁じ、蒸気船の時代へと移ってその役割を終えています。

毎年7月最終日曜に行なわれる『白山丸祭り』では、白山丸を展示館の外に出し(基部にレールがあります)、帆を張って往時の勇姿を再現しています。

ちなみに白山丸は、NHKの連続ドラマ『菜の花の沖』のロケにも使われています。
なお、千石船展示館の館内では千石船の航路、さらには白山丸の復元を紹介するビデオも常時上映しています。

また、旧宿根木小学校校舎を再生した佐渡国小木民俗博物館には、膨大な量の民具が集められており、じっくり見るにはかなりの時間が必要です。

佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館
千石船展示館ではビデオも上映
佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館
佐渡国小木民俗博物館の膨大な民具
佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館
名称 佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館/さどこくおぎみんぞくはくぶつかん・せんごくぶねてんじかん
所在地 新潟県佐渡市宿根木270-2
関連HP 佐渡市公式観光情報サイト
ドライブで 両津港(佐渡汽船旅客ターミナル)から約43km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館 TEL:0259-86-2604
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/新潟県観光協会、佐渡観光協会

 

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