新潟県新潟市中央区、東大畑通1番町に建つ司教座聖堂と木造2階建ての司教館がカトリック新潟教会。最初の教会が建てられたのは明治18年で、現在の聖堂が建てられたのは、昭和2年のこと。設計はスイス人の建築家、マック・ヒンデル(Max Hinder)の手によるもので、珍しいロマネスクとルネサンスの折衷様式。
見学やミサへの参列で、キリスト教に触れる
平成8年に修復され、イタリア・フィレンツェの工房で製作されたステンドグラスが入りました。
また平成10年には、東京の麹町にある、聖イグナチオ教会からランプも譲り受けています。
パイプオルガンは、昭和4年、ドイツ・パデルボルンの工場で作られたもの(Anton Feith社製)。
空気アクション式パイプオルガンとして、日本に現存する最古のもののひとつとして貴重なもの。
現在も澄んだ美しい音色でミサなどで使われています。
敷地にはほかに、フランスの名高い巡礼地・ルルドにちなんだ「ルルドの洞窟」も再現されています。
ちなみに、正式な教会堂名(聖堂名)は「王であるキリスト」。
日中は見学も可能ですが、本来は祈りのための神聖な場所なので、携帯電話をマナーモードにする、私語を慎むなどマナーを守って入場を(ミサや儀式などを行なっている際には見学できません)。
毎週日曜朝にはミサも行なわれています(洗礼を受けていない人も参加可能です)。
新潟の開港と、キリスト教の布教
新潟は幕末の安政5年(1858年)、アメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランスの5ヶ国それぞれと結んだ安政五ヶ国条約による開港五港の一つに選ばれた地。
新潟では、外国人の来住が少ないため、当初から神奈川(横浜)、長崎、神戸のように外国人居留地が区画されず、外国人と日本人が混住する「内外雑居」がおこなわれました。
そのため、外国人は居住地を選ぶにあたり、湧き水に富み、砂丘(高台)の裾を選定しました。
カトリック新潟教会も、教会の脇に掘った井戸から水が湧き出し、みるみる池になったと伝えられることから、こうした条件にあった土地だったことがわかります。
この池は、異人池と呼ばれ、冬には氷が張ってスケートが楽しめ、新潟の人が異国の文化に触れ、吸収するきっかけをつくった場所のひとつになっているのです。
明治12年のコレラ流布の際には、「外国人が毒を撒いた」という噂が広がるなど、明治18年に教会が建立されるまでも、苦難が続いたと推測できます。
カトリック新潟教会 | |
名称 | カトリック新潟教会/かとりっくにいいがたきょうかい |
所在地 | 新潟県新潟市中央区東大畑通1番町656 |
関連HP | カトリック新潟教会公式ホームページ |
電車・バスで | JR新潟駅から新潟交通バス浜浦町先回り線で西大畑下車、徒歩2分 |
ドライブで | 日本海東北自動車道新潟亀田ICから約8.2km。または、磐越道新潟中央ICから約7.2km、北陸自動車道新潟西ICから約9km |
駐車場 | 12台/無料 |
問い合わせ | カトリック新潟教会 TEL:025-222-5024/FAX:025-222-5054 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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