長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)

長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)

長野県佐久市、明治39年、国立長野種馬所として創設され、軍馬となる種馬の改良が行なわれていた牧場が、長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)。104haもの広大な敷地には、牧草地やトウモロコシ畑が広がり、自由に散策可能。場内にはみごとな桜並木が続き、桜の季節には夜間のライトアップも実施されています。

北海道的なのどかな牧歌風景が展開


日清戦争、日露戦争を通じて軍馬の改良の必要性が痛感されたことから、明治39年、軍用馬などの改良・増殖を目的に、北佐久郡三井村に長野種馬所として誕生した牧場がルーツ。
明治38年の馬政第1次計画(30年計画、昭和10年に終了)では、在来種馬に外国種馬を交配して、体格の増大と能力の向上を図り、国防上、さらに産業上にも役立つ馬を生産するというもので、長野種馬所など全国の種馬所が種付け業務を行ないました。
戦前は、中部・近畿および群馬、栃木の2府14県を管轄する重要な種馬所として機能し、馬の改良増殖に大きな役割を果たしました。

第二次世界大戦が勃発すると牧場のうちの26ha(現在の駒場公園と南側の畑)を海軍飛行場(海軍岩村田飛行場)として供与し、職員の大量出征、飛行場建設での馬の飼料不足などという苦難の時代もありました。
海軍の秘匿飛行場で、建設中に終戦を迎えているため、世に知られることはありませんでした。

戦後は、長野種畜牧場として乳用牛(ホルスタイン、ジャージー)や山羊(ザーネン種、トッケンブルグ種)、ウサギ(日本白色種、日本アンゴラ種)の繁養、飼料作物の改良が行なわれ(昭和29年に馬の改良業務は終了、ウサギも平成19年に繋養中止)、独立行政法人家畜改良センターとなった現在では、飼料作物の種苗生産と山羊の研究が中心に行なわれています。

四季を通じて晴天が多く、降水量は年間900mm程度と少ないため、飼料作物の種子生産や山羊の飼育に適しているということで、101haという広大な面積のうち、67haが種苗増殖ほ場となっています。

雄大な浅間山を背景に、牧草地が広がる美しい光景が展開。
白樺並木の向こうには、牛やヤギ、馬の放牧風景(採草・放牧地・畜舎等関係施設は合計12ha)が広がります。

明治40年に種馬所の庁舎として建設された建物は長野牧場資料館として保存(桜開花期間の土・日曜、祝日、『長野牧場まつり』開催時に公開)。
ふれあい広場は見学が可能です(ふれあい広場の道路反対側に来場者用駐車場を整備)。

隣接する駒場公園には佐久市立中央図書館、佐久市立近代美術館、長野県創造館などがあり、観光の拠点としても機能しています。

長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)
名称 長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)/ながのぼくじょう(かちくかいりょうせんたーいばらきぼくじょうながのしじょう)
所在地 長野県佐久市新子田2029-1
関連HP 長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)公式ホームページ
電車・バスで JR佐久平駅からタクシーで10分
ドライブで 上信越自動車道佐久ICから約4km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 長野牧場(家畜改良センター茨城牧場長野支場)TEL:0267-67-2501/FAX:0267-68-4743
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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