古墳の築造が始まった時、それが弥生時代の終焉、古墳時代の始まりともいえますが、3世紀に西日本で誕生した古墳文化、東国への流入は4世紀頃のこと。東京23区内に現存する最古と目される古墳は、東京都大田区の宝萊山古墳(ほうらいさんこふん)で、4世紀前半の築造。
多摩川流域最古の前方後円墳で、荏原古墳群の最初の首長墓
東京都大田区田園調布にある墳丘長97mという巨大な前方後円墳が、宝萊山古墳。
高級住宅地として知られる田園調布は、大正12年に「日本型田園都市」として分譲が始まった当時のニュータウンですが、その外れ、多摩川に近い台地上に位置するのが宝萊山古墳です。
昭和9年の宅地造成工事で、埋葬施設が発見されていますが、土取りで後円部の3分の2が失われています。
田園調布を初めとする多摩川流域の高台は、古代人にも絶好の居住環境だったと推測され、50基あまりの古墳が残されています(荏原古墳群)。
そのなかでも最初に築かれたと目されているのが、宝萊山古墳で、4世紀前半の築造と推測されています。
つまりは、多摩川下流域で最初の首長墓ということになります。
関東最古の古墳とされるのは、千葉県市原市の神門5号墳(ごうど5ごうふん)で、畿内の出現期古墳にも通じる前方後円墳への過渡的な様相の古墳で、3世紀中頃の築造と推測されていますが、東京湾沿いの古墳文化(ムラからクニへの発展)が、4世紀には多摩川流域にも伝搬したと推測できます。
東京都内で最古の古墳は、田園調布に! | |
所在地 | 東京都大田区田園調布4-4-1 |
場所 | 宝萊山古墳 |
関連HP | 大田区公式ホームページ |
電車・バスで | 東急多摩川線多摩川駅から徒歩15分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 大田区郷土博物館 TEL:03-3777-1070 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag