「ワンマンカー」(ワンマン運転)は、バス、路面電車、ローカル線で普及していますが、JR東日本は首都圏の路線に関しても順次、ワンマン化を進める方針です。2030年頃までに首都圏主要線区をワンマン運転とする計画(2024年11月に発表)。2027年春には、京浜東北線・中央線のワンマン運転も始まります。
2030年頃までに、山手線・京浜東北線でもワンマン化

首都圏では、2025年3月に常磐線(綾瀬〜取手間)、南武線全線(川崎駅〜立川駅)ですでにワンマン運転を開始しています。
続いて、2026年春、横浜線・根岸線(八王子〜大船間)で開始が予定され、2027年春からは京浜東北・根岸線(大宮〜南浦和間と蒲田〜大船間)、中央・総武線各駅停車(三鷹〜千葉間)でワンマン運転がスターとする予定です。
背景には、ホームドアの設置が進んだことで、ワンマン運転を行なう土壌が整備されたことがあります。
またモニタの画面がシャープになったこともあって、運転席にモニタを設置すれば、全ドアの状況を視認することができるようになりました。
運転手不足はバスだけでなく、当然、鉄道にも及ぶ問題で、JR東日本も、ワンマン化の先には無人化をも視野に入れているのです。
そのためにATO(Automatic Train Operation=自動列車運転装置/名古屋市営地下鉄で初採用、東京メトロなどで運用中)やTASC(Train Automatic Stop-position=定位置停止装置/首都圏では全駅ホームドア設置に向けて導入済み)を導入、ワンマン運転時には運転支援装置として活用します。
車内トラブルに対しては、車内カメラを設置し、運転手だけでなく指令室でリアルタイムに確認できる仕組みです(双方向の会話も可能)。
ただし、ラッシュタイムの遅延が日常化している総武線各駅停車などは、より遅延が状態化することを危惧する声もあるほか、ホームにも駅員がいない現状で、トラブルが発生した時に、乗務員がひとりだけで対処できるのかという問題も残されています。
車掌がボタンを押して流れる蒲田駅の『蒲田行進曲』など、おなじみの発車メロディも終焉となります。
JR東日本のグループ経営ビジョン「変革2027」には「ワンマン運転を拡大することにより、人手不足や社員の就労意識の変化などに対応し、鉄道をより効率的でサステナブルな輸送モードに変革する」と、ワンマン運転化が掲げられています。
2030年頃までに、山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線(各駅停車)、埼京・川越線でもワンマン運転を実現する見込み。
鉄道のスマート化ともいえる変革が、すでにスタートし、「昔ね、運転手さんがいたんだよ」という時代がすぐそこまで迫っています。

| 2027年春、京浜東北線の一部・総武線がワンマン化! 進む首都圏のワンマン運転 | |
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