「お値打ち」は名古屋弁! 名古屋に伝わるお値打ち文化とは!?

「お値打ち」という言葉は、さも標準語のように使われていますが、もともとは尾張・名古屋を中心に濃尾平野一帯の方言。名古屋弁の「お得だがね」的なニュアンスで、価値があって、コスパがいい、つまりは「お買い得」の意。安くて量があるのは、名古屋人にとっては当たり前のことなのです。

「おつとめ品」も実は名古屋発祥という説が有力

名古屋テレビ、東海テレビ、CBCテレビ、中京テレビ、テレビ愛知という名古屋の夕方のローカルニュースには必ずといっていいほど登場する言葉が「お値打ち」あるいは「お値打ち情報」。
値打ちとはもともと、「金銭的な価値が高いこと」。
これに「お」が付いて「お値打ち」となると、さらに「価値がある」ことが重視され、「お買い得」感が高まります。

ルーツは江戸時代に遡り、名古屋城下で使われた言葉。
反物、瀬戸物などを売る商家が、良いものをより安くという売り言葉。
「お安くします」、「お買い得です」、「勉強しますよ」などを包括して、「お値打ち」となった次第。

この言葉、過去には名古屋市内くらいしか通用しませんでしたが、次第に中京圏、そして全国へと広まっていき、今では全国に「お値打ち品」が存在するようになったのです。

同様に「おつとめ品」も「お値打ち」から派生した言葉で名古屋ルーツともいわれています。
こちらは、商人がお客さんに尽くして励む(つとめる)というのが語源で、売り手・商人側からの言葉が「おつとめ品」、買い手・消費者側が「お値打ち」という関係性があり、名古屋発祥説を裏付けます。
「おつとめ品」は関西発祥という説もありますが、「お値打ち」との関係を見る限りは名古屋発祥という可能性が大。 

安売りは単に安く売ることで、在庫一掃や、賞味期限が迫る場合もあるでしょう。
「お値打ち」は、本来は価値ある商品ですが、特別に安くします的なイメージで、「安売り」とは異なります。
「安売り」よりも「そのものの価値」が重視されているということに。

ビジネスで「名古屋人との商談は要注意」といわれるのも、名古屋商人がこの「お値打ち」感を求めるためなのでしょう。
トヨタが世界に冠たる車メーカーなのも、この「お値打ち」感、つまりは故障の少なさ、安全性など品質に対して価格が安いというを「お値打ち」性を極めているからかもしれません。

「お値打ち」は名古屋弁! 名古屋に伝わるお値打ち文化とは!?
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