道頓堀

道頓堀

木津川と東横堀川を結び大阪の中心部を流れる2.7kmの一級河川が道頓堀(どうとんぼり)。江戸時代初期の慶長17年(1612年)、商人・安井道頓(やすいどうとん/成安道頓)が私財を投じて開削に着手したのでその名があります。現在は、「食い倒れの街、大阪」を象徴する繁華街として、訪日客も多い場所となっています。

芝居の街が、食い倒れの街のシンボルに!

江戸時代に芝居興行が勘四郎町(現・大阪市中央区南船場)から道頓堀に移され元禄歌舞伎、人形浄瑠璃などの芝居小屋が一帯に集中。
浪花座(ばにわざ)、中座、角座、朝日座、弁天座の5つの芝居小屋が「道頓堀五座」と呼ばれるように。
大阪松竹座(道頓堀1丁目)、国立文楽劇場(日本橋1丁目)、トリイホール(千日前1丁目)、新歌舞伎座(上本町6丁目)などは芝居街の伝統を今に受け継いでいます。
平成25年にオープンしたお笑い劇場「DAIHATSU MOVE 松竹芸能 道頓堀角座」(道頓堀1丁目)は、角座が復活したかたち。

道頓堀の南に併走する商店街が道頓堀商店街、北に続くのが宗右衛門町商店街です。

キダ・タローの「とれとれ、ぴちぴち、かに料理」のCMで知られる「かに道楽道頓堀本店」(昭和37年開店)の巨大なカニの足が動く看板、「くいだおれ人形」(中座くいだおれビル)、6代目となる「道頓堀グリコサイン」(江崎グリコ/通天閣などとともに大阪市都市景観資源に登録)に代表されるような派手な看板やネオンの数々はミナミならではの風景となっています。

「くいだおれ人形」は昭和24年に山田六郎が創業した「大阪名物くいだおれ」(道頓堀1-8-25)の店頭に置かれた名物人形。
大阪の伝統である文楽人形を応用し、ピエロの人形にちんどんやの鳴り物を持たせ、電気仕掛けで動くようにしたもの。
顔は戦前から戦後にかけての映画界で活躍したコメディアンの杉狂児に似せています。

ちなみに「大阪名物くいだおれ」は割烹、和定食、居酒屋、ファミリーレストランの4部門で食い倒れできる大型店舗でしたが閉店し、「くいだおれ人形」はアミューズメントビルに転身した「中座くいだおれビル」正面に置かれています。

平成16年12月に御堂筋と堺筋の間の両岸に誕生した水辺の遊歩道「とんぼりリバーウオーク」、ドン・キホーテ道頓堀店前から出航する「とんぼりリバークルーズ」も人気を集めています。

安井道頓(成安道頓)

道頓堀を開削した安井道頓(成安道頓)は、大坂城の外堀を掘削した功労で豊臣秀吉から城南の地を拝領。
城南の開発には河川整備が必要と考えた安井道頓は、道頓堀川の開削に乗り出したのです。
工事最中の元和元年(1615年)、大坂夏の陣に巻き込まれ、豊臣秀頼とともに大坂城内で討死。
道頓堀は、摂津大坂藩10万石の藩主となった松平忠明の裁可を受けて従兄弟の安井九兵衛らが工事を継続させ、完成したもの。
安井道頓の出自に関しては定かでありません。
司馬遼太郎の短編小説『けろりの道頓』は、安井道頓が主人公。

『摂津名所図会』に見る道頓堀(「道頓堀芝居側」)

寛政8年(1796年)刊行の『摂津名所図会』。「東横堀より流れて日吉橋の西にて木津川に入り海に会す」のが道頓堀で、描かれているのは「道頓堀芝居側」(千日前)。
右側にある橋が戎橋(えびすばし)、左側の橋が太左衛門橋。
江戸時代には「筑後座」、「中の芝居」、「角の芝居」、「角丸座」、「豊竹座」、「竹田座」などの芝居小屋が集まり、浄瑠璃、歌舞伎が上演され、芝居茶屋などが建ち並んでいた様子がよくわかります。

道頓堀
名称 道頓堀/どうとんぼり
所在地 大阪府大阪市中央区道頓堀
関連HP 大阪観光局公式ホームページ
電車・バスで 地下鉄御堂筋線・千日前線なんば駅から徒歩5分、近鉄難波線近鉄難波駅から徒歩6分、南海電鉄難波駅から徒歩7分、JR関西本線難波駅から徒歩9分
ドライブで 阪神高速1号環状線道頓堀出口から約500m
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
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