徳川幕府は列強4ヶ国(イギリス、フランス、アメリカ、オランダ)と江戸条約を結び、8灯台の設置を約束しますが、イギリスは兵庫(神戸港)の早期開港を幕府に迫り、単独で大坂条約を締結。その大坂条約では兵庫(神戸港)への航路の安全を確保する5灯台の設置が決まっています。
友ヶ島灯台(ともがしま)|和歌山県
初点灯:明治5年6月27日
所在地:和歌山県和歌山市加太沖ノ島
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高12.2m、平均海面から灯火まで60.0m
光達距離:20.5海里(38km)
内容:ブラントン設計で兵庫(神戸港)の開港に備え、瀬戸内海に入る紀伊水道の安全を確保するために設置
Aランクの保存灯台で、経済産業省の近代産業遺産
文化財:国の登録有形文化財
江埼灯台(えさき)|兵庫県
初点灯:明治4年4月27日
所在地:兵庫県淡路市野島江崎小磯17
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高8.27m、平均水面上から灯火まで48.5m
光達距離:白色18.5海里(34.3km)、赤色16海里(29.6km)
内容:ブラントン設計で兵庫港の入出港の安全を確保するため、最初に完成
経済産業省の近代化産業遺産、Aランクの保存灯台
文化財:国の重要文化財
鍋島灯台(なべしま)|香川県
初点灯:明治5年11月15日
所在地:香川県坂出市与島町鍋島
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高9.8m、平均水面上から灯火まで28.8m
光達距離:11海里(20km)
内容:瀬戸内海を通航する船が、夜間に退避停泊するための「停泊信号」としての灯台(明治時代は夜間の運航ははなはだ危険でした)
ブラントン設計でAランクの保存灯台、日本の灯台50選、経済産業省の近代化産業遺産に認定
文化財:国の重要文化財
六連島灯台(むつれしま)|山口県
初点灯:明治4年11月21日
所在地:山口県下関市豊北町六連島船着654
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高10.6m、平均水面上から灯火まで27.9m
光達距離:12.0海里(22km)
内容:下関戦争でイギリスなどに支払う賠償金の一部を利用し、兵庫(神戸港)へと向かう国際航路の安全を確保するために建設された灯台
ブラントンの設計
文化財:国の重要文化財
部埼灯台(へさき)|福岡県
初点灯:明治5年1月22日
所在地:福岡県北九州市門司区白野江部埼20-1
構造形式:金属製、石造り
高さ:塔高9.7m、平均水面上から灯火まで39.1m
光達距離:17海里(32km)
内容:幕末に大坂条約で約定した灯台で、ブラントンの設計
瀬戸内海航路の西の入口を守るために建設
Aランクの保存灯台で、日本の灯台50選にも選定
文化財:国の重要文化財
| 幕府が大坂条約で設置を決定! 全国5灯台 | |
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