高塚愛宕地蔵尊

高塚愛宕地蔵尊

大分県日田市天瀬町馬原(まばる)にある神仏習合時代の信仰形態を残す地蔵尊が高塚愛宕地蔵尊(たかつかあたごじぞうそん)。奈良時代の僧で、聖武天皇の命により奈良・東大寺の大仏建立にもかかわったとされる行基が、九州巡礼の折、高塚の山中で地蔵菩薩を彫り、これを祀ったというのがその起源。

神仏習合の愛宕権現が祀られるパワースポット

行基伝承は、あくまで伝承ですが、イチョウの巨樹のなかに光を放つ3個の玉を見つけ、そのうちのひとつで、乳房の形をした宝珠を持ち帰り、自刻の地蔵菩薩とともに祈願するよう、里人に説いたとのこと。
天暦6年(952年)、里人がこの大イチョウのそばに堂宇を建立、以来、地元の人に尊崇されてきました。

大イチョウは、別名「乳銀杏」と呼ばれ、子宝や母乳を授ける霊木として、樹齢1000年を数える古墨。
境内には2000体もの奉納地蔵があるが、その下には閻魔大王と六地蔵をはじめ、280体もの地蔵が祀られた一念洞があり、霊域に。
本殿の背後には、小さな地蔵尊を抱いてお願いすると御利益があるとされる「お抱え地蔵」も祀られ、受験や病気平癒、商売繁盛など、諸願成就の御利益大。
参道に出店も立ち並び、春、夏、秋の例大祭には多くの人で賑わいを見せます。

ちなみに、愛宕権現(あたごごんげん)は、地蔵菩薩を本地仏とし、伊邪那美命(いざなみのみこと)が垂迹神とする山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神号。
つまりは地蔵菩薩が伊邪那美命の姿になって地上に現れたとするもので、総本山は京都・愛宕山白雲寺(明治初年の神仏分離令による廃仏毀釈で、愛宕神社に)。
全国の愛宕権現も、愛宕神社に強制的に改組させられていますが、天瀬では高塚愛宕地蔵尊として神仏習合のままに、奇跡的に存続しています。

高塚愛宕地蔵尊
名称 高塚愛宕地蔵尊/たかつかあたごじぞうそん
所在地 大分県日田市天瀬町馬原3740
関連HP 高塚愛宕地蔵尊公式ホームページ
電車・バスで JR豊後中川駅からタクシーで10分
ドライブで 大分自動車道天瀬高塚ICからすぐ
駐車場 800台/無料
問い合わせ 高塚愛宕地蔵尊 TEL:0120-417-381
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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