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沈堕の滝

沈堕の滝

大分県豊後大野市を流れる大野川と支流の平井川に懸かる沈堕の滝(ちんだのたき)は、「豊後のナイアガラ」とも呼ばれる不思議な滝で、国の登録記念物。大野川本流の雄滝は、落差17m、幅93mの巨瀑で、まさにミニナイアガラのよう。地質的には柱状及び水平節理が発達した、溶結凝灰岩の滝です。

「豊後のナイアガラ」は、超巨大火砕流の痕跡!

沈堕発電所の跡
石造りの水路跡なども現存

支流の平井川の雌滝は、落差18m、幅4mの優美な滝。
2つの川の合流地点には、ふれあい公園が整備され、雄滝まで遊歩道が延びています。
雄滝は発電所堰堤建築などで往時の姿を失っていましたが、平成8年に九州電力が景観に配慮した修景工事を行ない、往時の情景を取り戻しています。
ちなみに150年前の滝の位置は、現在よりも約240m下流にあったと推測されているので、それだけ滝の浸食力が強いということに。

ふれあい公園内には、明治42年に石造で建設された沈堕発電所跡もあるのでお見逃しなく。
大分(堀川停留場)~別府(別府停留場)間の電力供給(九州では最初の電気鉄道、後の大分交通別大線、昭和47年廃止)と大分町での電灯・電力供給事業のため、豊後電気鉄道が建設した沈堕発電所の跡です。

大野橋側にあるのが滝見公園で、遊歩道が整備され、展望台からは雌滝を眺望。

文明8年(1476年)には、雪舟が沈堕の滝を訪れ『鎮田瀑図』を描いています。
雄滝については、「崖上危石磊磊尖起し、相列って鉾の如し」と描写されています。
残念ながら『鎮田瀑図』は関東大震災で焼失し、狩野常信による模写(京都国立博物館蔵)が残るのみとなっています。

阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩を落ちる滝は、おおいた豊後大野ジオパークのジオサイトのひとつ。
豊後大野市の半分を覆うという阿蘇火砕流堆積物は、多くの断崖が形成し、そこに川が流れば、ナイアガラを思わせる壮大な滝となります。
つまりは、「東洋のナイアガラ」とも称される原尻の滝(「日本の滝百選」)と同様に、超巨大火砕流の痕跡ということになります。

沈堕の滝
名称 沈堕の滝/ちんだのたき
所在地 大分県豊後大野市大野町矢田
関連HP ぶんご大野 里の旅公社公式ホームページ
電車・バスで JR豊後清川駅から徒歩35分。または、タクシーで10分
ドライブで 東九州自動車道大分宮河内ICから約38km
駐車場 沈堕の滝ふれあい公園駐車場、または滝見公園駐車場を利用
問い合わせ ぶんご大野里の旅公社 TEL:0974-35-3601
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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