長野県の伊那地方(伊那谷)では定番ですが、それ以外では、まず見ることがないという、超限定版のローカルフードが、「ローメン」。伊那市の「中国風菜館 萬里(ばんり)」が発祥のご当地麺で、1955年にメニューに誕生というから、2025年はちょうど70周年ということに! その具材の肉がちょっと意外です。
「うま伊那ローメン おいし伊那ローメン♫」

「中国風菜館 萬里」を創業した伊藤和弌(いとうわいち)さんは、横浜で料理人として修行した後、故郷の伊那で、中華料理店を開業。
昭和30年代は、まだ冷蔵庫が普及する前で、生麺を翌日まで保存するために蒸すことを考案。
地元の製麺業者服部製麺所・服部幸雄社長の協力を得て、この蒸し麺を使って創案したのが、「ローメン」。
創業者の伊藤和弌さんは、2007年5月11日に没していますが、生前の取材で、
「中華料理に麺を炒めるという炒麺(チャーメン)がありますが、肉を使って炒めるので、炒肉麺(チャーローメン)、これが短縮されてローメンとなったんです」と語っていました。
中華料理での炒肉麺に使われるのは、通常は豚肉。
伊藤さんは当時、伊那市周辺で羊毛のために飼育されていた羊に目をつけ、副産物のマトン(塩漬け肉)と伊那産のキャベツを使うというオリジナルのものを生み出したのです。
スープにもこだわりがあり、鶏ガラ、そしてネギなどの香味野菜を4時間かけて煮込んだものを使っています。
マトンは輸入ものに代わったものの、基本的な作り方は今も同じ。
炒めるというよりも、多めのスープで蒸し炒める感じです。
そのまま味わうのはもちろんですが、好みでソースと酢をかけたり、ごま油や七味唐辛子、おろしニンニクもかけるなどアレンジも自由自在。
一皿で、いろんな味が楽しめるのもローメンの良さとなっています。
かなりクセがあるため、初めて味わう人には抵抗のある人もいますが、「ローメン」は地元で広まり、伊藤さんが名前の使用を許したために、地元学校給食にも採用、伊那市の家庭料理などにも取り入れられるほどに普及しました。
多くの食堂などでローメンが味わえるようになり、伊那市では6月4日を「蒸し」の語呂合わせで、ローメンの日にするまで発展しています。
「うま伊那ローメン おいし伊那ローメン」、これがローメンオリジナルソングです。
長野県・伊那谷の郷土料理「ローメン」、意外な肉が入っている! | |
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