埼玉県長瀞町にある秩父鉄道のレトロな駅が長瀞駅。荒川が生み出した景勝・長瀞の玄関駅にもなっています。明治44年9月14日、波久礼〜宝登山間8.8km開通に伴い、宝登山駅として開業した歴史ある駅で、「開業当時のままで残され、歴史を物語る木造建築の駅」として「関東の駅百選」にも選定されています。
明治44年開業時の駅舎が現存
秩父山地への入り口にあたる、波久礼(はぐれ)は、地名の「破崩」(はぐれ:崩れやすく危険な場所)が名の由来というほど地盤が脆い場所で、工事も困難を極めました。
「長瀞は天下の勝地」と称える渋沢栄一らの援助、さらに陸軍工兵隊の助力で明治44年9月14日、波久礼〜宝登山間8.8km開通に伴い熊谷~宝登山駅が全通したのです。
開業当時は、宝登山神社参拝の玄関駅という役割が大きかったため宝登山駅という名称に。
宝登山駅の開業で、宝登山神社への参拝はもとより、長瀞の舟遊びを楽しむ人が増え、観光地・長瀞としての発展の基盤が生まれました。
大正12年7月7日に長瀞駅に改称されています。
長瀞駅前には、昭和2年、東京日日新聞の「日本百景」に長瀞が選ばれたことを記念して、昭和3年に設置された記念碑も立っていますが、その碑文の「長瀞は天下の勝地」は渋沢栄一筆。
長瀞にある旅館「養浩亭」の名も大正11年8月に渋沢栄一が、「浩然の気を養う」という孟子の言葉を引用し命名したもの。
長瀞駅から荒川に沿って高砂橋までの北桜通りは、400本の桜が2.5kmに及ぶ、まさに桜のトンネルで、長瀞駅〜荒川橋梁間の秩父鉄道もお花見に絶好。
ちなみに埼玉県内で「関東の駅百選」に選定されるのは長瀞駅のほか、同じ秩父鉄道の三峰口駅(埼玉県秩父市)、さらに航空公園駅(西武鉄道、埼玉県所沢市)、深谷駅(JR東日本、埼玉県深谷市)、高坂駅(東武鉄道、埼玉県東松山市)、西武秩父駅(西武鉄道、埼玉県秩父市)。
なかでも長瀞駅は、平成9年選定の第1回選定駅(全26駅)。
長瀞駅 | |
名称 | 長瀞駅/ながとろえき |
所在地 | 埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞529-2 |
関連HP | 秩父鉄道公式ホームページ |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約16km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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