金鑚神社

金鑚神社

埼玉県児玉郡神川町にある古社が、金鑚神社(かなさなじんじゃ)。金鑚とは金砂(かなすな)、つまりは砂鉄のことで、古代に先進技術を有した集団(帰化人など)が創建したと推測できます。鎮座する地の字名が二ノ宮なのは氷川神社を武蔵一宮、金鑚神社を二宮としたから。背後の御室ヶ嶽全体がご神体のため、本殿はありません。

多宝塔があるのは神仏習合時代の名残

社伝によれば、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の帰途、神宮(伊勢神宮)で倭姫命(やまとひめのみこと=日本武尊の叔母)から賜った火鑽金(火打金)を御霊代として、この地の御室ヶ嶽に奉納し、天照大神(あまてらすおおかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀ったのが始まり。

多宝塔は、天文3年(1534年)に阿保郷丹荘の豪族・阿保弾正全隆が寄進したもので(柱に「天文三甲午八月晦日、大檀那安保弾正全隆」の墨書)、国の重要文化財に指定されています。
明治の神仏分離、廃仏毀釈まで(神仏習合時代)は、大光普照寺(金鑚山元三大師)が別当寺で、大光普照寺の奥の院・金鑚大明神でした。
本来は寺の境内にある多宝塔が、神社にあるのはその名残です。

境内から御嶽山(標高343.4m)への登山道が伸び、300mほど歩けば国の特別天然記念物に指定される御嶽の鏡岩があります(埼玉県で国の特別天然記念物に指定されるのは、田島ヶ原サクラソウ自生地=さいたま市桜区、牛島のフジ=春日部市の3ヶ所のみ)。
御嶽山の一峰の岩山山頂に護摩壇、石仏群ががあることから、江戸時代までは台密(天台宗に伝わる密教)の影響下にあったことがわかります。

金鑚神社
名称 金鑚神社/かなさじんじゃ
所在地 埼玉県児玉郡神川町字二ノ宮751
関連HP 金鑚神社公式ホームページ
電車・バスで JR本庄駅・JR丹荘駅から朝日バス神泉総合支所ゆきで新宿(しんしゅく)下車、徒歩20分
ドライブで 関越自動車道本庄児玉ICから約10km
駐車場 あり
問い合わせ 金鑚神社 TEL:0495-77-4537
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
御嶽の鏡岩

御嶽の鏡岩

埼玉県児玉郡神川町、御嶽山の中腹、武蔵国二宮・金鑚神社(かなさなじんじゃ)近くにあるのが、御嶽の鏡岩(みたけのかがみいわ)。1億年前の関東平野と山地の境界に位置する八王子構造線の誕生時の断層活動のすべり面で、摩擦によって鏡のような表面が名の

 

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