野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)

野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)

埼玉県秩父市にある臨済宗南禅寺派の寺が、野坂寺。秩父三十四所観音霊場・札所12番で、聖観世音菩薩が本尊です。緩い上り坂の150mほどの参道の奥に美しい山門があり、手入れされた境内には四季の花が咲きます。本尊の聖観世音菩薩立像は、像高156cmという等身大で、藤原時代の作とのこと。

盆送りの行事、8月16日の『灯篭供養』が有名

野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)

室町時代の札所番付(長享番付)で5番となっていた野坂堂(裏山の中腹に建っていました)が始まりで、寬保元年(1741年)、野坂寺の6世佛海が野坂寺をこの地に移し、野坂堂を合わせて祀ったもの。
重層楼門造りの山門は、享保年間(1716年~1735年)築で、地蔵十王思想に基づき制作された閻魔大王、平等王などの十王像(死者の生前の罪業を審判する冥府の10人の王)などが配されています。
現存する本堂は、明治39年の火災で焼失後、昭和49年に再建されたもの。
本堂裏には庭園があります。

行事としては、盆送りの行事である8月16日の『灯篭供養』が有名。
境内に灯篭供養塔が組み立てられ、1200個の灯篭が高さ16mほどに積み上げられ、夜には灯が入って壮観です。

野坂寺の東には羊山公園があり、春の芝桜、ソメイヨシノが咲き乱れます。

広重・豊国作 『観音霊験記 秩父順礼』第十二番仏道山野坂寺 甲斐の商人

野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)

『観音霊験記 秩父順礼』に記された縁起によれば、その昔、甲斐の商人が毎年のように六十里越えの難所を越し、絹の商いに秩父に来ていましたが、ある時、数人の賊に遭遇し、肌を隠せる一重の衣以外をすべて剥ぎ取られ、さらに追ってきた賊に、命を狙われてしまいます。
その際、一心に「南無觀世音」と唱えると不思議にも商人が身につけていた守袋の中から光明が燐然と輝き、山賊の眼を射て、さらに残りの盗賊の耳には商人の唱える称名の声が「百千人同音に唱る」と聞えて難を免れました。
後に甲斐国から秘蔵の聖觀音立像5尺を当地に安置しお堂を建立したと伝えられています。

秩父三十四所観音霊場 霊場間の距離・時間

11番札所・常楽寺(埼玉県秩父市熊木43-28)—(1.5km/徒歩25分) —12番札所・野坂寺(埼玉県秩父市野坂2-12-25)— (1.3km/徒歩20分) — 13番札所・慈眼寺(埼玉県秩父市東町26-7)

野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)
名称 野坂寺(秩父三十四所観音霊場・札所12番)/のさかじ
所在地 埼玉県秩父市野坂2-12-25
電車・バスで 西武秩父駅から徒歩12分。秩父鉄道御花畑駅から徒歩15分
駐車場 あり/無料
問い合わせ 野坂寺 TEL:0494-22-1608
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
常楽寺(秩父三十四所観音霊場・札所11番)

常楽寺(秩父三十四所観音霊場・札所11番)

埼玉県秩父市にある曹洞宗の寺、常楽寺。秩父三十四所観音霊場・札所11番で、西武鉄道西武秩父駅、秩父鉄道秩父駅・御花畑駅から徒歩圏内にある札所。本尊は、十一面観世音で、明治初年までは天台宗の寺で、第18代天台座主で比叡中興の元三大師(慈恵大師

慈眼寺(秩父三十四所観音霊場・札所13番)

慈眼寺(秩父三十四所観音霊場・札所13番)

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