千葉県野田市関宿にある千葉県立関宿城博物館では、平成28年度企画展『つながる 川と海と人~あそぶ・親しむ・守る~』を開催。「川と海へのかかわりをとおして、いかに川と海が人々にとって大切であるかを伝える展示です。ぜひご覧ください!」(千葉県教育振興部文化財課)。
北斎の『千絵の海~蚊針流』に江戸時代の漁法を知る
千葉県立関宿城博物館(ちばけんりつせきやどじょうはくぶつかん)は、千葉県野田市の関宿城の城跡近くに建つミュージアム。
関宿城と宿場町の関宿(せきやど)は利根川や江戸川の合流地点に位置していますが、これは利根川水系の治水と水運を目的に江戸時代初期に行なわれた利根川東遷事業の結果生み出されたもの。
徳川家康とその側近は、江戸入府後に湿地帯となっていた江戸の町周辺の治水事業に乗り出します。
利根川は武蔵国北部では細かく乱流し、綾瀬川や荒川とも合・分流していて、洪水ごとに流路を変えるという状況だったのです。
利根川東遷工事以降、城下町・関宿は、舟運による物流と産業の要衝となります。
関宿には河川改修の遺構や昭和2年竣工の利根川改修事業のシンボル・関宿水閘門(すいこうもん=水流を制御する水門と水位を調節して船が通行できる閘門が併設されている河川構造物)もあって、まさに『つながる 川と海と人~あそぶ・親しむ・守る~』というテーマには最適の地なのです。
『つながる 川と海と人~あそぶ・親しむ・守る~』展では、葛飾北斎の描いた浮世絵『千絵の海~蚊針流(かばりながし)』(TOPの画像)、高瀬船模型、江戸和竿、「千葉出洲海岸の海水浴写真」などが展示されます。
北斎の『千絵の海~蚊針流』は、日本各地の海や河川を舞台に様々な漁の風景を描いたシリーズ『千絵の海』(原題は千繪の海)の作品。蚊針(かばり)は蚊や虻などに似せた釣鉤で川魚を釣る漁法。蚊針(毛鉤)を流してアユやハヤを釣る釣り方で、流し毛鉤釣りとして現在でも行なわれています。断崖の下で5人の漁師が漁をしています。難易度の高いぼかし技で水の深さを見事に表現しています。
実際に北斎は現場を見て描いたと思われますが、残念ながらその場所は特定されていません。
千葉県立関宿城博物館企画展『つながる 川と海と人~あそぶ・親しむ・守る~』 | |
開催日時 | 2016年10月4日(火)〜11月27日(日)、9:00〜16:30(入館は16:00まで)、会期中は無休 |
所在地 | 千葉県野田市関宿三軒家143-4 |
場所 | 千葉県立関宿城博物館 |
関連HP | 千葉県立博物館公式ホームページ |
ドライブで | 東北自動車道加須ICから約21.6km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 千葉県立関宿城博物館 TEL:04-7196-1400/FAX:04-7196-3737 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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