織田信長が奇想天外な天守を築いた安土城は琵琶湖の東岸にそびえる安土山(現在の近江八幡市安土町)に築城されています。京上洛の要の地である近江の中心部に位置し、織田信長の掲げる「天下布武」を誇示するのに最適な場所が安土山でした。「日本100名城」に選定、国の特別史跡に指定されています。
織田信長が天下布武の拠点とした安土山に築いた山城
湖国・近江のほぼ中央にある安土周辺には古代から文明が栄え、多くの遺跡が発掘されています。琵琶湖を従え、京にも近く、北国街道や東海道、中山道にもにらみが利く安土山は、まさに信長が「天下布武」の旗を揚げるには絶好の地だったといえるのです。
安土山の山上部が安土城の主郭で、本丸、二の丸、三の丸が造られています。
3年の歳月をかけ、5層6階の天守をはじめ壮大な城郭を完成させたのが天正7年(1579年)。
大手道の回りには羽柴秀吉、前田利家、徳川家康などの諸将の屋敷が並んでいました。
天正10年(1582年)の本能寺の変直後に焼失するまでわずか3年間しか存在しなかった城のため、消失の理由を含めて今もまだ未解明の部分が多い城となっています。
天正10年12月には羽柴秀吉が、清洲会議で信長の後継者に決まり、実質秀吉が後見人となった三法師(後の織田秀信)の居城になっています。
大手道から天守台跡を目指し、百々橋口道で下山を
滋賀県では、安土城の保存と活用を図るため、発掘調査とその成果に基づく史跡整備事業を平成元年から20年計画で実施し、城下町と主郭部分を結ぶ大手道、百々橋口道と信長が百々橋口道に創建した摠見寺跡、さらに搦手道、天守台跡の調査が行なわれ、大手道などの石段や周辺の屋敷跡が整備されています。
駐車場(有料)から標高189mの安土山山頂(安土城天守台跡)へは大手道と摠見寺跡のある百々橋口道から登城道が通じています。
百々橋口道(天守台跡まで791段の石段)は、入口部分が通行止めのため下山道に利用されています。
おすすめの登城ルートは、大手道登城口から天守台跡まで405段、30分ほどの登城。
下山は摠見寺の三重塔、二王門を眺めながら下山という周回ルートなら、安土城の全貌が掌握できます。
なお、安土城は、入山料が必要です。
安土城跡は国の特別史跡で、琵琶湖国定公園第1種特別地域に指定されているため、ペットを連れて入山は不可。
また、自然が豊かに残され、まむしが出るのでご注意を。
南東麓は近江風土記の丘として整備されていますが、近江風土記の丘から眺める安土山はのどかな山容を示ています。
なお、安土城考古博物館、安土城天主信長の館、安土城郭資料館をあわせて見学すれば、信長が安土城を築いた目的、信長の先見性などを知ることができます。
安土城 | |
名称 | 安土城/あづちじょう Azuchi Castle |
所在地 | 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦 |
関連HP | 近江八幡観光物産協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR琵琶湖線安土駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名神高速道路蒲生スマートICから約11km。竜王IC、八日市ICから約14km |
駐車場 | 特別史跡安土城跡前駐車場(150台/有料) |
問い合わせ | 安土駅前観光案内所 TEL:0748-46-4234/FAX:0748-46-4234 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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