新幹線なのに単線という珍しい区間が東北にはあります。ひとつは、福島駅構内の山形新幹線。福島駅での山形新幹線アプローチ線は、目下、単線ですが、福島駅が上り、下りで1線しか使えないための限定的な単線です。これを超える単線区間が、ミニ新幹線ながら秋田新幹線にあります。
新幹線が普通列車を待ち合わせるという珍しい風景も

秋田新幹線は、盛岡駅から田沢湖線に入り、さらに大曲駅から奥羽本線を走ります。
在来線の田沢湖線はもともと単線・狭軌でしたが、平成8年から1年間運休して軌間を新幹線と同じ1435mmの標準軌へ拡幅する改軌工事を行なっています。
しかし、全線が単線のままなので、秋田新幹線「こまち」が途中駅や信号場で、対向列車を待つという列車交換(列車同士が行き違い)を行なうという珍しい姿を見ることができます。
大曲駅~秋田駅の奥羽本線は元々複線区間ですが、秋田新幹線開業後は新幹線が使用する標準軌の線路と、在来線の普通列車が使用する狭軌の線路が並ぶ単線並列区間という珍しい区間になっています。
つまり、秋田新幹線は、盛岡駅〜秋田駅は単線区間ということに。
山形新幹線は、福島駅のアクセス線を除く奥羽本線・福島駅〜関根駅間は複線、さらに赤湯駅〜北赤湯信号場、羽前中山駅〜山形駅、芦沢駅〜 舟形駅は複線区間で、それ以外が単線になっています。
もともと「ミニ新幹線構想」は山形新幹線がルーツ。
フランスの高速鉄道「TGV」が終着駅から在来線に乗り入れていることに注目し、国際的にスキーリゾートとして知られる蔵王への足として、「TGV」の日本版として採用を思い立ったもの。
当初は仙台駅で東北新幹線に分かれて仙山線を走らせるプランでしたが、山形県内の地域活性ということもあって、米沢駅を経由する奥羽本線ルートに変更されました。
奥羽本線は狭軌から標準軌に拡幅、路盤なども改良が進みましたが、単線区間が多く残され、列車交換(行き違い)では新幹線が普通列車を待ち合わせるという珍しい風景も。
「新幹線なのに単線」! 対向する列車の待ち合わせのある線区とは!? | |
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