2024年の年間訪日外客数は3686万9900人で、前年比では47.1%増、2019年比でも15.6%増と、年間過去最高を更新。そんななかで、とくに外国人観光客が多いのが世界遺産・白川郷(岐阜県大野郡白川村)。2024年に208万3442人が観光で訪れ、そのうち111万4244人が訪日観光客。53.5%という割合です。
昇龍道(ドラゴンルート) が今も健在!

2024年の年間訪日外客数は、過去最高だった2019年の3188万2049人を500万人近く上回る結果に。
2023年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画では3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が掲げられていますが、その反面でオーバーツールズムの問題も顕著になっています。
岐阜県最北部、富山県との県境に近い合掌造りで有名な白川郷は、高山とともにインバウンド誘致をこれまでも積極的に展開。
中部国際空港を起点に、愛知、岐阜、富山を抜け、石川県能登半島に抜ける昇龍道(ドラゴンルート) としてPRされてきました。
愛知県のレゴランド・ジャパン・リゾート、ジブリパーク、小京都・金沢、富山県と長野県を結ぶ北アルプス・立山黒部アルペンルート、古都・金沢などを組み込む外国人も多いのが特徴。
以前は団体のツアーが大半でしたが、現在では中国人を含め、大部分が個人旅行。
レンタカーで回る人も多くなっています。
白川郷に宿泊する人の数は、訪日外国人観光客が3万4637人、日本人4万8308人と訪日外国人観光客が急増。
収容力の問題もありますが、訪日外国人観光客は完全に通過型となっています。
白川村の調査では「白川村を訪れた観光客は岐阜市・高山市や金沢市、名古屋市など近隣の主要観光都市との周遊傾向が強く接続性が高いことが示されました」とのことで、昇龍道(ドラゴンルート) 的なルートが健在であることもわかります。
近年では高山に宿泊する「日帰りツアー」も多く見受けられます。

「東京都の国分寺市に日本国民全員が来る状況」
2013年の外国人観光客の年間訪問者数は15万人で、全訪問者の1割ほどでしたが、コロナ禍直前の2019年には100万人を突破。
そして2024年にはコロナ禍以前の全盛期の賑わいを取り戻しています。
国内では京都と並ぶ訪日外国人観光客の多いエリアとなる白川郷、「人口の1000倍以上が集まる村」ともいわれる白川村では、他のエリアに先駆けて、壮大な実証実験が行なわれていると考えることもできるでしょう。
白川村では、「日本の原風景を求めて、東京都の国分寺市に日本国民全員が来る状況」と説明していますが、村人が、合掌造りの景観を含めた周辺環境を守るために、合掌造りの集落を「売らない・貸さない・壊さない」と取り決め、単なる見世物ではなく、村人の生活が息づく世界遺産というのが大きな特徴です。
そのため、宿泊をした訪日外国人観光客にはリピーターになる人も多いのだとか。
単なる見世物、パビリオンではない世界遺産というのが、白川郷の強みになっているのです。

| 世界遺産・白川郷では、訪日外国人観光客が半数以上! | |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |




















