京成「スカイライナー」は特急ではない!?

スカイライナー

特急、急行、準急、普通などの区分を列車種別といいます。京成電鉄の最高時速160km/hという私鉄日本一というスピードを誇る「スカイライナー」は、京成上野駅〜成田空港駅間を走る座席指定有料特急と称されてますが、実は京成電鉄の列車種別では、特急ではなく、スカイライナーとなっています。

列車種別、名称ともスカイライナーが正解

スカイライナー
160 km/h運転対応の現在の車両は3代目

日本の私鉄は、京急=川崎大師、東武=日光、南海=高野山という具合に、有名社寺への参詣鉄道として誕生した鉄道が数多くありますが、京成もそのひとつで成田山新勝寺への足として誕生したました(1909年6月30日に京成電気軌道株式会社として設立)。
1933年に上野公園駅(現・上野公園駅)まで乗り入れを果たし、1937年には特急の運転も始まっています(臨時特急「護摩」が最初の特急)。
1991年3月19日には京成本線経由で東京国際空港(成田空港駅)までの乗り入れが実現し、空港直通の座席指定有料特急「スカイライナー」が誕生しました(所要時間は1時間で、利用者はJRの成田エクスプレスが優勢でした)。

このときは、乗車券のみで乗車できる特急、座席指定有料特急の「スカイライナー」と、特急は2タイプで運用されていました。

2010年7月17日には成田スカイアクセス(成田空港線)が開業、最高速度160km/hの新AE形「スカイライナー」が日暮里駅から空港第2ビル駅までを最速36分で結ぶようになり、利用者が増加。
それに伴って、特急、座席指定有料特急がともに特急では分かりづらいことから、乗り間違えを減らす目的で、種別、名称ともに「スカイライナー」ということに変更したのです。
実はこの「スカイライナー」という名称は、京成電鉄の登録商標で、「モーニングライナー」、「イブニングライナー」、「シティライナー」などとともに、特急券ではなく「ライナー券」と呼んでいます。

京成では特急ではなくあくまでも「スカイライナー」で、乗車にあたってはスカイライナーチケット(ライナー券/英語ではSkyliner tickets)が必要としているのです。


なお、京成電鉄では「スカイライナーは、京成上野駅と成田空港駅間を運行する空港特急です」とも解説しているので、厳密な列車種別、名称は「スカイライナー」、一般的な区分では空港特急で、「スカイライナーは座席指定の有料特急です」という説明も間違いではありません。
「欧米諸国に引けを取らない国際空港アクセス」と京成電鉄では胸を張っています。

スカイライナー
成田スカイアクセス線開業まで使われた2代目スカイライナーのAE100形
京成「スカイライナー」は特急ではない!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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