現在、日本国内を走る定期寝台特急列車は、東京と山陰、四国を結び、岡山で分割・併結して運転する「サンライズ瀬戸・出雲」のみ。鉄道ファンだけでなく、女性旅行者にも人気があり、きっぷの取りづらい特急として有名です。その人気の秘密は、快適な居住空間ともいわれますが・・・。
4・11号車の階下「サンライズツイン」は予約するのが難関!
「サンライズ瀬戸」は、東京駅〜高松駅、「サンライズ出雲」は東京駅〜出雲市駅を結び、それぞれ7両編成で運転。
つまり分割・併結の東京駅〜岡山駅は14両編成で運転されています。
大部分の車両はダブルデッカー(2階建て)ですが、寝台車だけでなく普通車(ノビノビシート)も組み込まれています。
車内は住宅メーカーと共同で設計し、木の温もりを生かしたインテリアに統一。
しかも寝台はすべてが個室というのも人気の秘密です。
寝台は、A寝台の「シングルDX」(4・11号車2階部分/個室)、B寝台の「サンライズツイン」(4・11号車1階部分/個室で補助ベッドが使用可能)、B寝台の「シングル」・「シングル・ツイン」(1・2・6・7・8・9・13・14号車の1階/個室)、B寝台の「シングル」(6・13号車2階部分/個室)、普通車「ノビノビ座席」(5・12号車、座席は、上下段に分かれA・B1階、C・D2階)があり、予算などに応じて選択できます。
「サンライズツイン」はB寝台ながら2ベットルームで、ルームチャージとなるため1名で利用することができます。
「シングルツイン」は2名で予約の場合、1名は補助ベッドとなります。
1人用B寝台個室には個室では一番エコノミーでベッドがあるのみの「ソロ」、少し広い「シングル」がありますが、「ソロ」は電動車に配されているため、走行中や加速・減速をする際にモーター音が気になるケースがあるので、せっかくサンライズに乗るのなら「ソロ」よりも「シングル」がおすすめです。
「サンライズツイン」は、ベッドが並列に並ぶまさにツインルームですが、部屋数が編成中もっとも少ないので予約が取りづらいこと、さらにコンセントがひとつというのが難点になっています。
唯一のA寝台は「シングルDX」で6室あり、ベッドの他に机と椅子、洗面台がありますが、2階に位置するので背の高い人(180cm以上)の人は少し窮屈かもしれません(通常の人なら問題ありません)。
2階部分はカーブなどで1階よりも揺れるという欠点があるので、1階に配される「サンライズツイン」がおすすめではあります。
寝台料金は「おとな」と「こども」同額なので、幼児の添い寝を除いて(ベッド幅はB寝台「シングル」で700mm、「サンライズツイン」750mm、A寝台シングルDX850mm)、子供との旅は少し割高感があります(乗車券、特急券は子供料金が適用されます)。
同じB寝台個室では、シングルツインを2名で利用する場合は、9600円+補助ベッド5500円で1万5100円、サンライズツインは、7700円×2で1万5400円と、わずか300円の差なので、サンライズツインがおすすめですが、いちばんゲットしづらいきっぷになっています。
券売機で、「シャワーカード」(有料)を購入すればシャワールームを使うことができますが(シャンプーなどは設置されています)、食堂車はもちろん、車内販売もないため、夜食、朝食(米子以遠は9時以降の到着です)などは事前に購入して乗車することが必須となります(飲料の自販機はあります)。
豪華さという点や、食堂がない点では、近年豪華さがアップのフェリーには到底及びませんが、貴重な寝台特急が体験できるという点で、人気を集めています。
新幹線「のぞみ」(普通車指定席で東京〜岡山)+特急「やくも」(普通車指定席で岡山〜出雲市)と比較すると、ノビノビ座席利用の場合にはノビノビ座席の方が6000円以上安く、B寝台シングルならほぼ同額となります。
飛行機(羽田〜出雲縁結空港)と比較すると、通常料金なら7000円ほどB寝台シングル利用のほうが安いこともあり、人気を裏付けています(JALの出雲縁結空港便は9:00頃に出雲縁結空港着なので、現地での時間的なゆとりはあまり変わりません)。
日本で唯一の定期寝台特急列車「サンライズ瀬戸・出雲」、人気の秘密とは!? | |
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