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世界文化遺産石見銀山周辺ゾーン・沖泊

世界文化遺産石見銀山周辺ゾーン・沖泊

温泉津(ゆのつ)から谷ふたつ北側にある天然の良港が沖泊。石見銀山から9km西に位置する湊(みなと)で、石見銀山の支配が毛利氏に移った16世紀後半、銀の積み出しと石見銀山への物資補給がこの沖泊の湊で行なわれました。温泉津沖泊道(銀山街道)とともに世界文化遺産「石見銀山」の構成資産になっています。

銀の積み出し、北前船の交易で賑わった湊

水深があるので大型帆船も入港できました

銀の積み出しは当初、鞆ヶ浦が使われていましたが、毛利元就が銀山支配した頃、湾の入り口に標高42m櫛島(現在は陸続き)があり、北西の季節風を遮る沖泊に湊が移されたのです。
湊の両岸には船を係留した鼻繰岩(鼻ぐり岩)が残り、海に突き出した岬の高台には毛利水軍の基地となった山城(鵜の丸城)の跡があります。
戦国時代には、海外との交易もある重要な湊を守るため櫛島に櫛山城が、その対岸に鵜の丸城が築かれたのです。

櫛島の櫛山城は尼子方の温泉氏(ゆし)の居城となっていましたが、永禄5年(1562年)、温泉氏は毛利元就に追われ、滅亡しています。
鵜の丸城は、尼子氏の反撃を撃退するため、永禄13年(1570年)に築いた城で、ともに毛利水軍の拠点となっていたのです。
つまり、沖泊は、石見銀山の積み出し港というだけでなく、軍港としても機能していました。

入江の奥にある沖泊の集落は、16世紀まで遡る方形地割りを今に留める貴重なもの。
16世紀の本殿が残る氏神・恵比須神社、船舶用に供された3つの共同井戸(浜の井戸・正念寺奥の井戸・上の井戸)、火防の祠が現存しています。

「番屋敷」と呼ばれる空き地は、番所があった場所と伝えられており、礎石も現存。
江戸時代には温泉津浦、小浜浦、波路浦、沖泊浦の4浦があり、これらを総称して温泉津湊と称していました(北前船の寄港など、貿易港は温泉津浦、沖泊浦)。

石見銀山の坂根口番所を起点とする銀山街道「温泉津沖泊道」(世界文化遺産の構成資産)は全長13.8kmと、それまでの湊だった鞆ヶ浦へのルート(総延長7.5km/吉迫口番所起点)に比べると6kmほど長くなっています。
「温泉津沖泊道」には石畳や土橋が現存し、中国自然歩道として整備整備されているので往時を偲んで歩くことがが可能。

船乗りたちにも信仰された恵比須神社
世界文化遺産石見銀山周辺ゾーン・沖泊
名称 世界文化遺産石見銀山周辺ゾーン・沖泊/せかいぶんかいさんいまみぎんざんしゅうへんぞーん・おきどまり
所在地 島根県大田市温泉津町温泉津
ドライブで 山陰自動車道温泉津ICから約2.7km
駐車場 沖泊港を利用
問い合わせ 大田市観光協会 TEL:0854-88-9950/ FAX:0854-88-9960
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

大田市温泉津伝統的建造物群保存地区

江戸時代には銀山奉行支配の幕府直轄領となり、17世紀初めまでは石見銀の積み出し港として繁栄した島根県大田市の温泉津(ゆのつ)。平成19年7月に世界文化遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の構成資産。銀山衰退後は北前船の出入りする港として、さ

温泉津港

リアス式海岸の奥行き1.2kmという深い入江を利用した天然の港が島根県大田市の温泉津港(ゆのつこう)。平安時代にはすでに温泉が発見され、毛利氏支配の中世には温泉津は銀の積み出しや石見銀山の鉱山町が消費する生活物資の集積地として重要な湊に。江

沖泊恵比須神社

石見銀山の銀の積出港として、さらに江戸時代には北前船の寄港地となった温泉津(ゆのつ)・沖泊にある、船乗りたちが信仰した氏神が恵比須神社。社伝によれば博多商人・神屋寿禎(かみやじゅてい)が石見銀山を発見した大永6年(1526年)の創建。本殿に

沖泊・鼻繰岩

永禄9年(1566年)、毛利元就(もうりもとなり)は、尼子氏を降し、石見国平定後に銀の積出港を輌ヶ浦(仁摩)から温泉津(ゆのつ)・沖泊に移しています。沖泊の湾岸には、凝灰岩の岩盤を加工して造られた鼻繰岩(はなぐりいわ)と呼ばれる係留遺構が数

世界文化遺産石見銀山周辺ゾーン・鞆ヶ浦

温泉津(ゆのつ)の北東にある天然の良港が鞆ヶ浦(ともがうら)。石見銀山の銀山地区から北西6kmに位置する中世の湊で、石見銀山の開発初期にあたる16世紀前半、銀や銀鉱石を九州・博多に積み出した湊。博多からの商船が来航し、繁栄しました。世界文化

銀山街道 温泉津沖泊道

石見銀山と温泉津・沖泊を結んだ銀山街道が温泉津沖泊道(ゆのつおきどまりどう)。毛利元就(もうりもとなり)が永禄5年(1562年)、石見国平定後に銀の積出港を手狭となった輌ヶ浦(仁摩)から温泉津に移してから輸送路となった街道。温泉津からは米な

 

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