「日本一の急坂」として有名な、国道308号の暗峠(くらがりとうげ)ですが、最大勾配は37%。100mで37mも上るというまさに「激坂」ですが、関東にも37%という表示のある坂道があります。それが神奈川県東大和市の坂道で、最大斜度が50%もあるため、車の通行は不可となっています。
東大和市公認の「日本一の急な坂道」、実は50%近い勾配
新規に築かれる道路の勾配は、道路構造令(道路の安全性・円滑性を確保する観点から、最低限確保すべき一 般的技術的基準を定めた政令)で全国一律に最大12%と定められています。
坂の街として知られる長崎市では、「長崎市市道の構造の技術的基準を定める条例」を2012年に制定し、特例として17%に引き上げています。
全国基準となる12%は、100m進むと12m上る坂道ですが、12mは4階建てのマンションに相当。
全国基準の3倍以上という道路が存在するのは、1970年の道路構造令の制定以前からある道路ということに。
100mで37m上るということは、12階建てのマンションに相当するので、かなりの勾配だと想像できますが、実測すると中央の階段部分は50%近い斜度の場所も!
雪国や大型トラックの走行する道は、道路構造令で6%が最大ということに定められているので、東大和市は少なくとも凍結や降雪はあまり想定していないことがわかります。
丘の上、多摩湖畔沿いの多摩湖通りと、丘の基部を走る湖畔道路の間が住宅地で、湖畔道路と多摩湖通りを結ぶ坂道はいずれも急坂。
なかでも湖畔1丁目は傾斜が厳しく、坂道の中央が階段になっている場所も2ヶ所あります。
隣接する車道には斜度28%の表示もありますが、実測してみるとこちらも37%近くある急坂で、少し緩やかに感じられるのは、37%の表示のある坂道が実はさらなる勾配だからということに。
実質的に37%表示の坂道が日本一といえるような急坂では(探せば全国に驚くような急坂があるでしょうが、斜度の表示がない場合が大半です)。
東大和市秘書広報課では、「市内に、道路勾配37%と日本一の急な坂道があることをご存じでしょうか?その勾配のため、車の通行はできず、歩行者でも思わずのけぞりそうになるため、手すりや階段が設置されています」としていますが、市公認の「日本一の急な坂道」ということに。
37%はあくまで平均勾配なので、勾配のきつい地点は50%近い傾斜となっています。
平均斜度37%、最大斜度50%、「日本一の急坂」が東大和市に! | |
所在地 | 東京都東大和市湖畔1丁目 |
電車・バスで | 西武鉄道武蔵大和駅から徒歩20分 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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