毎年2月10日11:00〜、石川県加賀市大聖寺にある加賀国二之宮・菅生石部神社(すごういそべじんじゃ)で、例大祭『御願神事』(ごんがんしんじ/竹割まつり)が斎行されます。若者が青竹を石段や石畳に叩きつけ、割り尽くし、大蛇に見立てた大縄を川へ投げ込んで、無病息災と五穀豊穣を祈願するもので、石川県の無形文化財に指定。
竹打ち・大縄引きをして勝敗を競う年占の行事がルーツ
神門の横に組まれた竹の組物に火をつけ、祭礼の始まるを告げる篝火行事、用意された300本の青竹を、石段や柱、拝殿の床などにバラバラになるまで打ち付ける竹割行事、拝殿の大縄を引き出して、敷地橋から大聖寺川に放り込んで流す大縄行事と続きます。
境内に散らばる割られた青竹は、無病息災の縁起物として参拝客が持ち帰るしきたりに。
社伝によれば、飛鳥時代の天武天皇6年(677年)、天武天皇がに国家安泰を祈り、平和な世にあっても乱世を忘れぬよう、山幸彦の炎出見尊(ほほでみのみこと)と、兄で海幸彦の酢芹尊(すせりみこと)の神軍(たたかい)に倣(なら)い、尚武の道を忘れぬために始めた行事に由来するとか。
山幸彦と海幸彦の争いは日向神話(ひむかしんわ)に登場するもので、ヤマト王権と九州に勢力を有した隼人(はやと)との抗争を神話化したとも推測されています。
貞享2年(1685年)の『加賀国江沼郡磯部天神縁起』には、正月10日の夕方、氏子を代表する敷地・岡両地区民が拝殿内で竹打ち・大縄引きをして勝敗を競う年占(としうら)の行事を営み、豊穣と安泰とを切実に祈願した御願初めの神事だと記され、神仏習合時代に別当寺(神社を管理する寺)だった真言宗古義派の慶雲寺で行なわれる正月の修正会の影響も受けていたと推測されています。
ちなみに、菅生石部神社の主祭神は山幸彦の炎出見尊(日子穂々出見命)です。
菅生石部神社『御願神事』(竹割まつり) | |
開催日時 | 毎年2月10日11:00〜 |
所在地 | 石川県加賀市大聖寺敷地ル-乙81-2 |
関連HP | 菅生石部神社公式ホームページ |
電車・バスで | JR大聖寺駅から徒歩25分、またはタクシーで5分 |
ドライブで | 北陸自動車道加賀ICから約4km |
駐車場 | 30台/無料、その他、臨時駐車場を利用 |
問い合わせ | 菅生石部神社 TEL:0761-72-0412 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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