「サンライズ出雲・瀬戸」で寝台料金不要の「ノビノビ座席」はお得!?

現在、日本国内を走る唯一の夜行寝台特急が、「サンライズ出雲・瀬戸」。東京~出雲市を走る「サンライズ出雲」、瀬戸内海を渡って東京~高松を結ぶ「サンライズ瀬戸」ですが(岡山駅で分割、併合)、ともに1両だけ1階部分が「ノビノビ座席」という車両があり、指定席特急料金のみで利用できます。

乗車券と指定席特急料金のみで利用OK!

14両編成の5号車と12号車が指定席特急料金のみで利用できるという「ノビノビ座席」。
下段・上段の2段構造で、座席番号のA・B席が下段、C・D席が上段ということになっていて、空間の有効活用で、最も安い寝台のB個室「ソロ」よりも安い料金設定となっています(実質的には指定席料金の530円だけで1区画が利用できる設定です)。

「みどりの窓口」などで個室寝台を予約した際には、個室の種類は指定できても、場所の指定はできませんが、「ノビノビ座席」に限っては空いていれば、好きな座席を予約可能です。

常連は、1A、1C、7B、7Dなどを予約しますが、これは車両の隅に位置することで、片側が壁となるので、ちょっぴりですが半個室のような感じになるのです(1B、1D、7A、7C席は壁際ではないので注意が必要)。
「ノビノビ座席」は、指定席特急料金のみということで、インターネット予約サービス「e5489」でも予約ができ、事前予約も申し込めるので、駅に行く必要がないのも大きなメリットとなります。

隣は丸見えなので、隣との空間を仕切りたいならテープと布が必要です

横幅はA個室寝台「シングルデラックス」と同じ!

隣との間に区切りがあるので、少しファミリーには不向きな面も

「サンライズ出雲・瀬戸」は、発売日の10:00に駅のマルス(コンピューターシステム)にキーを打ち込んでもらう、「10時打ち」でもなかなか希望の寝台を確保できないという争奪戦で知られていますが、「ノビノビ座席」に限っては、チケットも少しだけ「ノビノビ」感をもって予約ができます。

フェリーの2等船室のように開放的なカーペット敷ですが、ひとつの区画は全長208cm、幅85cmあり、実は横幅はA個室寝台「シングルデラックス」と同じです。
しかも隣とは、幅5.5cmの仕切りがあるため、空間は確保されますが、子供連れなどの際の添い寝などには不向きとなります。

冬期は床暖房が入るので、寒さは感じません。
枕カバー、毛布、使い捨てコップが付帯設備となっていますが、毛布を掛け布団として使う場合には、床に何か敷くものを用意しないと少し硬い床に寝転ぶことになります。

通路側にはカーテンがありますが、隣との間にはカーテンはなく、いびきなどは響き渡ってしまいます。
食事などは3号車と10号車に用意されるラウンジを利用すれば快適です(ラウンジと有料のシャワー室があります)。

この「ノビノビ座席」は、かつて青森駅〜札幌駅の津軽海峡線を走った夜行急行「はまなす」の「のびのびカーペットカー」が前身ともいえる存在で(急行の指定席料金だけで利用可能)、やはり上下2段になっていました。

寝台料金はもっとも安いB寝台ソロ(個室)で通常期が6600円+特急料金3300円(通常期)、ノビノビ座席は3830円(指定席特急料金)なので、東京駅~出雲市駅をノビノビ座席を利用した場合には、合計1万6040円でOKということに。

JRバス中国の夜行高速バス「スサノオ号」(3列シート)に少しプラスするだけで、ノビノビ座席が利用できるので、人気のほどもわかります。
夜行高速バスに比べると、かなりノビノビとできる感じですが、発売直後に売り切れのこともあるので、席の確保はなかなか大変です。

夜行急行「はまなす」の「のびのびカーペットカー」
夜行急行「はまなす」の「のびのびカーペットカー」
「サンライズ出雲・瀬戸」で寝台料金不要の「ノビノビ座席」はお得!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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