空海(弘法大師)が大同2年(807年)に現在の修善寺温泉を訪れたとき、噴出させたと伝わる伊豆最古の温泉が独鈷の湯(とっこのゆ)。空海が東日本に足跡を残したのはあくまで伝承ですが、ここが修善寺温泉発祥の地であることは間違いありません。現在は、自然石を組んだ浴場になっていて(入浴不可)修善寺温泉の象徴的存在になっています。
修善寺温泉発祥の湯で、伊豆最古の歴史を誇る温泉
河原の中に温泉施設があるため、大雨の時、水の流れが阻害され洪水の原因になる恐れがあるため、平成21年に川幅の広い19m下流の河川敷に移されています。
戦前までは岩の隙間などから自然湧出していましたが、現在は温泉が湯船に給湯されています。
独鈷の湯の名は、空海が金剛杵(こんごうしょ)の一種である独鈷杵(とっこしょ)で湯を見つけた(あるいは掘削した)から。
長さ24cmの金剛製独鈷杵は、昭和36年に修禅寺裏山から出土し、現在は宝物館に保管されています。
空海が東国に来たという史実はなく、空海のものとは限りませんが平安時代の密教仏具の出土から、この地が真言密教の修験の地であったことがわかります。
独鈷の湯は見学だけで入浴厳禁なのでご注意を。
修善寺にかって7つの外湯があり、独鈷の湯もその一つでした。
外湯入浴の場合は平成12年にオープンの外湯「筥湯」(はこゆ)へ。
毎年4月21日の修禅寺『春季弘法忌』では、着物姿の湯汲み娘が僧侶から湯を受ける「湯汲み式」が執り行なわれ、修善寺温泉街をパレードした後、湯は修禅寺本堂の弘法大師霊前に献湯。
さらに各旅館が持ち帰っています。
また、『春季弘法忌』湯汲み式(4月21日13:30〜)の前日夜には、修善寺温泉街で『春の万灯会』が開催されています(4月20日19:30〜)。
ちなみに修善寺温泉は、達磨火山(南の島だった伊豆半島が本州に衝突後の、100万年前〜50万年前に火山活動を展開)の下にあった地層が浸食によって姿を現したもの。
伊豆が海底火山だった時代に降り積もった火山灰や軽石でできた岩盤から温泉が湧出しています。
というわけで修善寺温泉は伊豆半島ジオパークのジオサイトになっています。
独鈷の湯 | |
名称 | 独鈷の湯/とっこのゆ |
所在地 | 静岡県伊豆市修善寺 |
関連HP | 伊豆市公式ホームページ |
電車・バスで | 伊豆箱根鉄道修善寺駅から東海バス修善寺温泉行きで8分、終点下車下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津ICから約25㎞ |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 伊豆市観光協会修善寺支部 TEL:0558-72-2501 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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