東京都中央区銀座8丁目、西五番街の路地に面して、ひっそりと店を構えるかりんとうの専門店が、かりんとう たちばな。ビルには入っていますが、戸を開けると、中から香ばしい香りが漂い、銀座の中でも少し異空間。派手な陳列棚などもありませんが、常連が多い店ゆえのこと。
ハイカラな銀座、新橋・花柳界に支えられてきた「おもたせ」
かりんとうは大きく分けると黒糖を使った「黒かりんとう」と白砂糖の「白かりんとう」に分けられます。
材料や作り方はほぼ同じですが、揚げた後に黒糖で作られた蜜をかけるか白砂糖で作られた蜜をかけるかという違いによって、見た目も風味も大きく変わります。
明治8年、浅草・仲見世で売られ始めたかりんとうは、白砂糖が高価ということもあり、庶民向けに黒砂糖を使った「黒かりんとう」でした。
明治42年創業の老舗かりんとう専門店「かりんとう たちばな」は、「白かりんとう」。
ハイカラな銀座、しかも花街・新橋に近いということもあって、当初から「おもたせ」としてかりんとうだったことがよくわかります。
自慢のかりんとう(区分では「白かりんとう」)は、細く上品な粒ぞろいの「さえだ」と、太めの「ころ」の2種類のみ。
香ばしい素朴な味わいが絶品で、甘さは控えめ、油くどさはまったく感じられません。
当然、贈答用としても人気が高く、朱色の丸缶入りのかりんとうなら、手土産にも最高。
ネット販売や、デパートなどへの出店もなく、店を訪ねて買うだけという、昔ながらの商売ですが、製造する量に限りがあるためとのこと。
ちなみに、銀座の「かりんとう たちばな」のほか、浅草の「かりんとう小桜」(明治3年創業の料亭「福し満」の手土産として提供していたかりんとうが評判となり、平成元年、店として独立)、湯島の「かりんとう ゆしま花月」が東京かりんとう御三家とも東京三大かりんとうとも称されていますが、かりんとう専門店の歴史としては、この「かりんとう たちばな」がダントツの歴史を有しています。
かりんとう たちばな | |
名称 | かりんとう たちばな/かりんとう たちばな |
所在地 | 東京都中央区銀座8-7-19江安ビル1F |
電車・バスで | 東京メトロ銀座駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | かりんとう たちばな TEL:03-3571-5661 |
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