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乗蓮寺(東京大仏)

東京都板橋区赤塚にある乗蓮寺は、徳川家康から10石の朱印地を寄進された浄土宗の寺。8代将軍・徳川吉宗は、鷹狩の際の「御小休・御膳場」に使っています。境内に鎮座する東京大仏は、東京大空襲、関東大震災などの悲惨な戦災・震災が起きないように願いを込めて、昭和52年に建立されたもので、板橋十景のひとつ。

境内には冒険家・植村直己の墓もある

応永年間(1394年〜1427年)、了賢無的が山中村(現在の板橋区仲町)に創建。
その後、板橋仲宿に移り、郷主・板橋忠康の菩提寺となりました。
1591(天正19)年(徳川家康江戸入府の翌年)、家康から10石の朱印地を寄進されています。
鷹狩を解禁した徳川吉宗は、岩淵、戸田に定めた「御拳場」(おこぶしば)に鷹狩に出かける際に、南蔵院(志村不動尊)とともに「御小休・御膳場」に定めていました。
まさに将軍家御用達の寺だったわけです。

首都高速道路の建設と国道17号の拡幅により、昭和48年に現寺地に移転。
寺が建つのは康正2年(1456年)、下総千葉氏の内紛(市川合戦)に敗れた千葉自胤(ちばよりたね)が、太田道灌を頼って武蔵に移り、築城した赤塚城二の丸跡(北側の都立赤塚公園内に本丸があります)。

昭和52年に建立された東京大仏(阿弥陀如来坐像)は、高さ12.5mの青銅製で重さが32t。
青銅製の鋳造大仏としては、奈良(東大寺大仏/14.98m、台座別で250t)、鎌倉(高徳院大仏/11.39m、121t)、高岡大仏(15.85m、13t)、兵庫大仏(能福寺大仏/11m、60t)などと並ぶ巨大な大仏です(日本三大仏に数える場合も)。

境内には世界初の五大陸最高峰登頂者で、世界的な冒険家として名を馳せ、冬のマッキンリーに消えた植村直己の墓もあります(最後の交信日の昭和59年2月13日が命日になっています)。
植村直己はエベレスト登頂の前年(昭和44年)から、仲宿商店街近くのアパート(3畳1間)で暮らし始め、消息を絶つまで15年間、板橋区で暮らしています。
東板橋公園がトレーニングの場になっていました。
板橋区蓮根には「植村冒険館」が建っています。

「がまんの鬼像」は、駒込にあった津藩藤堂家江戸下屋敷(染井屋敷)に置かれていた石像。
昭和42年に乗蓮寺へ寄贈されています。

天保飢饉供養塔は板橋市の文化財。
寛永・享保・天明に続く江戸四大飢饉の一つ、天保の大飢饉は、天保4年(1833年)の大雨による洪水や冷害による大凶作が原因で、飢えたり、疫病にかかったりして5年間で125万2000人が没するという大惨事を招きました。

乗蓮寺の天保飢饉供養塔は、時の住職・撮譽上人が、板橋宿内の死者を寺内に埋葬し、その菩提を弔うために建立したもの。
台座には1837(天保8)年3月〜11月の間に亡くなった423人(男333人、女49人、子供41人)の戒名が刻まれています。

ちなみに東京都が選定する「新東京百景」に板橋区で唯一選ばれているのが東京大仏です。
まだまだ無名の存在だけに、穴場的な大仏ですが、初詣では板橋随一の賑わいとなります。

津藩藤堂家江戸屋敷伝来の「がまんの鬼像」
学業成就にご利益ありの文殊菩薩像
乗蓮寺(東京大仏)
名称 乗蓮寺(東京大仏)/じょうれんじ(とうきょうだいぶつ)
Jorenji Temple,Tokyo Daibutsu(Great Buddha Statue in Tokyo)
所在地 東京都板橋区赤塚5-28
関連HP 乗蓮寺(東京大仏)公式ホームページ
電車・バスで 東武東上線下赤塚駅から徒歩20分、都営三田線西高島平駅から徒歩20分
ドライブで 首都高速高島平ランプから約1km
駐車場 15台/無料
問い合わせ 板橋区産業経済部くらしと観光課 TEL:03-3579-2251
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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