東京都杉並区にある善福寺川の水源となる善福寺池を中心とした8haに及ぶ都市公園が、善福寺公園。都立公園で、善福寺池の湧水(2本の井戸で汲み上げ)は、善福寺公園の南西にある東京都水道局杉並浄水所の水源としても活用されています。周囲は武蔵野の森を思わせる森林です。
上の池ではボート遊びも可能
かつては武蔵野台地50m崖線にある崖(谷頭)の下からの自然湧水による湧水池で、遅野井村の田を潤し、神田上水の補助水源としても利用されていました(江戸の水瓶と呼ばれた時代も)。
井の頭池(吉祥寺市・井の頭恩賜公園)、三宝寺池(練馬区・石神井公園)とともに武蔵野三大湧水池に数えられていますが、いずれも現在は自然湧水はなく、深井戸からの揚水に頼っています。
善福寺公園の池は上の池と下の池に分かれ、面積は3.7haで公園面積の47%を占め、カモ、カイツブリ、バンなどの水鳥が泳ぐほか、カワセミも姿を見せます。
周辺が都市化されたことを受け、昭和5年に風致地区に指定され、昭和9年に善福寺風致協会を設立。
昭和12年から上の池のボート場もスタートしています。
池の名は、かつて畔にあった善福寺に由来しますが、寺は廃寺に。
上の池の中島には市杵嶋神社(いちきしまじんじゃ)が鎮座しますが、これは井草八幡宮の境外社です。
下の池は昭和10年に善福寺川を堰き止めた人工の池。
ヨシ、スイレンが茂っています。
善福寺池の湧水は、枯渇し、池の水もポンプによる汲み上げ。
湧水のひとつ、遅の井の滝(おそのいのたき)の水もポンプアップしたもの。
上の池と下の池を結ぶ水路を水遊びができる場所として杉並区が整備し、平成30年に遅野井川親水施設が完成しています(遅野井川は、善福寺川のかつての名称)。
ボート場は土・日曜、祝日の営業(冬期休)でロウボート、ペダルボートを用意。
善福寺川は、下の池の池尻が源流で、神田川に注ぐまで10.5km(遅の井の滝からは11.3km)。
中流部には都立善福寺川緑地と都立堀田堀公園があります。
また原寺分橋下の流路脇には今も清水がこんこんと湧き出しています。
善福寺公園 | |
名称 | 善福寺公園/ぜんぷくじこうえん |
所在地 | 東京都杉並区善福寺2・3丁目 |
関連HP | 東京都公園協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR荻窪から関東バス南善福寺行きで善福寺公園下車 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 善福寺公園サービスセンター TEL:03-3396-0825 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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