東京都あきる野市雨間にある古墳が、大塚古墳。JR五日市線の東秋留駅〜秋川駅の車窓(北側)からも視認できるこんもり茂る森が大塚古墳で、畑が減り市街化が進むなかで、貴重な緑となっています。円墳のような形状ですが、一辺33m、高さ8mの方墳だとされています。
古墳とは断定できない大きな塚
文政13年(1830年)、江戸幕府の昌平坂学問所地誌調所が編纂した官撰地誌『新編武蔵風土記稿』には「塚 村の北陸田の中にあり、高さ二丈五六尺、土人呼て平井の大塚と云、塚上に稲荷の小祠二宇を建つ、由来つまびらかならず」と記されています。
八王子千人同心の出である植田孟縉(うえだもうしん)が文政6年(1823)に昌平坂学問所に献本した『武蔵名勝図会』には(植田孟縉は『新編武蔵風土記稿』の編纂にも参加し、その副産物として『武蔵名勝図会』が誕生)、「年々塚の際を切り崩しければ、昔はいまより大なりしことならん」との記述からも以前はもっと大きな塚だったことがわかります。
平成5年に調査が行なわれていますが、埋葬施設などは見つかっておらず、東京都教育委員会も「古
墳とともに塚の可能性も考える必要があります」と古墳とは断定していません。
『武蔵名勝図会』に「或云この塚に石函ありと言い伝う」と記され、石棺の存在が以前から想像されていたことからも古墳と考えられてきましたが、富士講の築いた富士塚など、様々な可能性が推測されています。
大塚古墳 | |
名称 | 大塚古墳/おおつかこふん |
所在地 | 東京都あきる野市雨間232 |
電車・バスで | JR秋川駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
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