「雪月花」が人気のえちごトキめき鉄道、2億8200万円の赤字!

2015年3月14日、北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間延伸開業に伴い並行する信越本線・妙高高原駅〜直江津駅(妙高はねうまライン)、北陸本線・市振駅〜直江津駅(日本海ひすいライン)が3セク化したえちごトキめき鉄道。2024年度の決算をみると、赤字額が拡大し、純損益マイナス2億8200万円となっています。

新型コロナウイルス禍をくぐり抜け、開業10周年に

えちごトキめきリゾート雪月花
人気の観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(糸魚川駅停車中)

普通列車に乗り放題の「じもパス」、「青春18きっぷ」所持者を対象にした「トキ鉄18きっぷ」の発行、人気の観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(せつげっか)の運行、さらに『直江津駅ビアガーデン』などユニークなイベントの実施なども行ない、地域密着と観光を両立させ、3セクの優等生的な雰囲気もありますが、実際には赤字に。

利用客数や営業収益はほぼ横ばいでしたが、使用車両の定期検査などコストがかさんだことで、前年度のマイナス6300万円から大幅に拡大。
リゾート列車「雪月花」が大規模な点検整備に加えて定期運行の車輌も一部が検査対象となり、検査費用が増大したことが反映したのです。

2025年3月14日で開業10周年を迎えましたが、沿線人口の減少、加えて新型コロナウイルス禍で利用客の伸び悩みなど、苦戦が続いています。

鉄道の存続のため2025年10月1日に運賃値上げに踏み切ることに(2020年以来、2度目の値上げ)。
直江津〜高田は開業当初200円だったのが330円、直江津〜糸魚川間が670円から1070円に。
「えちごトキめきリゾート雪月花」の料金も通常プラン(食事付) 2万9800円にアップする見込み。

開業時の想定では、開業から10年の損益は年間平均で2億円のマイナスということなので、新型コロナウイルス禍を乗り越えての数字のため、想定通り、もしくは善戦といえるものの、現在もウイルス禍前の水準には戻っていません。

えちごトキめき鉄道の信越本線、北陸本線は、全国の鉄道貨物輸送ネットワークの一端も担っているので、公共性も高く、93.09%の株を有する新潟県も今後も存続させる方針です。

妙高はねうまラインで運用されるET127系電車
「雪月花」が人気のえちごトキめき鉄道、2億8200万円の赤字!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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