東京都港区芝公園3丁目、増上寺の北側に建つ「東京プリンスホテル」が開業60周年を迎えます。落ち着いた雰囲気で、プリンスホテルのフラッグシップ的な役割を果たしてきたホテルですが、その場所は戦災まで徳川家の御霊屋(おたまや)だった場所で、有章院霊廟二天門、御成門が現存し、国の重要文化財になっています。
開業時のユニフォームを現代風にアレンジして復刻
戦災で御霊屋(増上寺北御霊屋、南御霊屋は現在のザ・プリンス パークタワー東京一帯)が焼失したため、増上寺は6代将軍・徳川家宣、7代将軍・徳川家継、9代将軍・徳川家重、12代将軍・徳川家慶、14代将軍・徳川家茂、徳川家茂正室・和宮などの宝塔を、現在の徳川将軍家墓所(本堂背後)に移し、土地を手放したため、国土計画(現・コクド)がホテル用地にしたものです。
1964年10月10日に開催された『東京オリンピック1964』では、外国からの観光客などを含め、ホテル不足が懸念されていたため、旧増上寺北御霊屋跡に新しいプリンスホテルを建設する計画となったのです。
東京ではすでに高輪プリンスホテル(現・グランドプリンスホテル高輪)や赤坂プリンスホテル(後のグランドプリンスホテル赤坂、2011年閉館)が営業していましたが、「東京」を冠したプリンスホテルのフラグシップとしての位置づけで、1964年9月1日に開業しました。
つまり、2024年9月1日で開業60周年ということに。
当初あったベルサービスは廃止されていますが、ドアマンが立っているのは、フラッグシップとしての伝統。
あまり知られていませんが、地階のショッピングアーケード「PISA」(Prince International Shopping Arcade)は、開業当時、海外の一流品を集めた高級セレクトショップとして誕生したもので、今も「ソレイユ(ランジェリーサロン)」、「アビステホテルブティック」などがその面影を伝えています。
ザ・プリンス パークタワー東京地下2階の「西武PISA」もラグジュアリーをテーマに、ヨーロッパブランドを取り揃えており、プリンスホテルの伝統を継承しています。
有名な作家が「缶詰」となって原稿執筆する定宿としても知られるほか、夏は東京タワーを仰ぎ見る絶景の「ガーデンプール」、ビヤガーデン(ビアレストラン ガーデンアイランド)もオープンします。
60周年を記念して、「ティーサロン ピカケ」、ドア・ベルがかつて東京プリンスホテルで着用されていたユニフォームを現代風にアレンジして復刻、60周年記念のキャッチコピー「あなたとともに 時を紡ぐ」を象徴する時代の移り変わりを表現するため、現在と過去(復刻ユニフォーム)のそれぞれのユニフォームをスタッフ一人一人が身にまとい、ロビーやレストランでお出迎えしています。
さらにはかつてメインダイニング「フランス料理 ボーセジュール」で提供していたブイヤベースを「ティーサロン ピカケ」で復刻メニュー「ブイヤベース -本場マルセイユ継承の味-」として取り扱うなど、開業60周年を記念したイベント&プランなども用意されているので注目を。
東京プリンスホテルが開業60周年、敷地内には徳川家霊廟時代の遺構も現存! | |
所在地 | 東京都港区芝公園3-3-1 |
場所 | 東京プリンスホテル |
関連HP | 東京プリンスホテル開業60周年公式ホームページ |
電車・バスで | 都営地下鉄御成門駅から徒歩1分。東京メトロ・都営地下鉄大門駅から徒歩7分。東京メトロ神谷町駅、JR・東京モノレール浜松町駅から徒歩10分 |
ドライブで | 首都高速芝公園ランプから約1km |
駐車場 | あり/有料 |
問い合わせ | 東京プリンスホテル TEL:03-3432-1111/FAX:03-3434-5551 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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