青森駅(青森県青森市)と三厩駅(みうまやえき/東津軽郡外ヶ浜町)を結ぶJR津軽線(55.8km)。2022年8月の豪雨で、新中小国信号場〜三厩駅間で路盤が流出するなどの被害を受けその区間は運休に。2025年6月10日(火)、JR東日本と青森県、沿線2町は2027年4月の自動車交通転換に基本合意しました。
蟹田駅〜三厩駅間(28.8km)がバス、タクシーに転換

これまで、外ヶ浜町は、JR東日本の提案どおり自動車交通への転換に応じる姿勢でしたが、今別町が頑なに鉄道復旧にこだわっていました(復旧には最低6億円かかると試算されています)。
その今別町も、鉄道にこだわり続けることで、交通システムの復旧が遅れることを危惧して、自動車交通への転換に応じる姿勢に転じ、基本合意にこぎつけたもの。
廃止され、バス、タクシーなどに転換するのは蟹田駅〜三厩駅間(28.8km)。
実は津軽線の青森駅〜新中小国信号場間(33.7km)は、本州と北海道を結ぶ鉄道の一部として、かつては寝台特急「北斗星」などの旅客列車も走り、新幹線開通後も貨物列車が運行する路線です。
つまり廃止されるのは、蟹田駅〜三厩駅間で、中小国駅、大平駅、津軽二股駅、大川平駅、今別駅、津軽浜名駅、三厩駅の7駅(海峡線との分岐点となる新中小国信号場は北海道旅客鉄道函館支社が管轄で存続)。
廃止後は、JR東日本が自治体とともに設立するNPO法人が自動車交通を担い、JR東日本は18年分の運行経費として33億円6600万円をNPO法人に拠出(基本合意書の有効期間は新たな自動車交通の開始から18年間ですが、それ以上の運行を目指すことが定められています)。
基本合意書によれば、鉄道廃止後は現在運行している代替バスやタクシーなどを統合して運行、新たな路線も増やすことで利便性向上を図るとしています。
青春18きっぷなどの利用については今後の進展、発表が待たれるところです。
山崎結子外ヶ浜町町長
「電車よりも自動車交通のほうが便利だとすでに実感している。NPOを立ち上げることで、より無駄のない地域の足を確保していきたい」
阿部義治今別町町長
「町民にとって地域交通の確保はもちろん。鉄路廃止に負けない街づくりに尽力します。鉄路廃止後の街づくりを進める観点から、1日も早く鉄路を撤去して、踏切の道路化などを実施していきたい」

JR津軽線の被災区間、2027年4月に廃止が決定! | |
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