富山県高岡市の中心部にある金屋町(かなやまち)は、高岡の地場産業である鋳物(いもの)発祥の地。今も藩政時代の面影を残す家並みは、銅片を敷き込んだ石畳に千本格子の家が軒を連ね風情があふれ、散策に絶好。平成24年には鋳物師町(いもじまち)としては全国で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
高岡鋳物発祥の地の歴史ある家並み
慶長16年(1611年)、加賀藩2代藩主・前田利長(まえだとしなが)は、砺波郡西部金屋(高岡市戸出西部金屋)から諸役免除の拝領地・高岡金屋町に7人の鋳物師を招いて鋳物工場を開き、高岡銅器の製造が始まりました。
その鋳物師が移り住んだ町が、現在の高岡市金屋町の千保川左岸で、鋳物発祥地の碑も建てられています。
金屋町の東西140m、南北450m、面積6.4haが金屋町重要伝統的建造物群保存地区に指定。
保存地区の中央を南北に金屋町通りが縦断し、江戸時代から昭和初期までの歴史的建造物が建ち並んでいます。
敷地は短冊形で、道路に面して主屋、その背後に中庭、さらに土蔵が建ち、最奥部分に作業場が置かれていました。
これは作業場での火災が延焼しないという工夫です。
「サマノコ」と呼ばれる繊細な格子や防火対策の袖壁も有名。
また、千保川に架かる鳳鳴橋の高欄には、ブロンズの鳳凰も装飾。
前田利長の命日に当たる6月20日には『御印祭』が行なわれていますが、前夜祭の『弥栄節街流し』(やえがふまちながし)は有名。
両日とも鉄を溶かすために溶鉱炉へ風を送る踏鞴(たたら=足で踏んで空気を送る道具)の足踏みを揃えるために、歌われていた作業歌の「弥栄節」を使った踊りが石畳通りを流れます(最勝寺→鳳鳴橋)。
平成17年公開の『8月のクリスマス』(山崎まさよし主演)のロケ地にもなっています。
ちなみに富山県内には、高岡市山町筋伝統的建造物群保存地区、南砺市菅沼伝統的建造物群保存地区、南砺市相倉伝統的建造物群保存地区と4ヶ所の重伝建があります。
名称 | 高岡金屋町の家並み(高岡市金屋町伝統的建造物群保存地区)/たかおかかなやまちのいえなみたかおかしかなやまちでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 富山県高岡市金屋町 |
関連HP | 高岡市公式ホームページ |
電車・バスで | あいの風とやま鉄道高岡駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 北陸自動車道小杉ICから約12km、能越自動車道高岡ICから約4km |
駐車場 | 金屋緑地公園駐車場(10台/無料) |
問い合わせ | 高岡市教育委員会 TEL:0766-20-1453 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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