山口県長門市、9000万年前のカルデラ底が隆起して誕生した「海上アルプス」青海島で、天橋立(あまのはしだて)を思わせる奇観が、波の橋立。外海(深川湾)と青海湖(おうみこ)を隔てる砂州で、仙崎の生んだ童謡詩人・金子みすゞの詠う『仙崎八景』のひとつ。
青海島にある「天橋立」は遊歩道で探勝
沿岸流で運ばれた砂礫が堆積した全長1.3kmの砂州と、山口県内最大の潟湖(せきこ)・青海湖からなる奇勝。
青海湖は外海と完全に断絶されるため、淡水湖になっていて、その水は農業などにも利用されています。
天橋立は全長3.2km(大天橋、小天橋部分)なので、スケール的にはその半分以下ですが、「海上アルプス」青海島にあって天橋立的な景観のスポットは実に異色です。
北側の高山の山上から眼下にできますが、あまり一般的ではありません。
青海湖はもともと入江でしたが、仙崎市街方面へと流れる沿岸流で砂礫が運ばれ、砂州が成長して、湾の入口を塞いだもの。
現在波の橋立の砂州部分は、歩行者専用の波の橋立遊歩道で、両端に駐車場とトイレが置かれ、散策ポイントになっています。
クロマツ茂る波の橋立は、散策に絶好。
金子みすゞは、『仙崎八景』の「波の橋立」で、「波の橋立よいところ、右はみずうみ、もぐっちょがもぐる、左や外海、白帆が通る、なかの松原、小松原、さらりさらりと風が吹く」と詠んでいます。
もぐっちょとは、潜水夫ではなく、カイツブリのこと。
青海湖ではカルガモ、キンクロハジキ、ホシハジロ、スズガモなどのカモ類を観察することができます。
カイツブリは冬季に観察できる鳥です。
ちなみに仙崎八景(童謡八景)は、波の橋立、大泊港、弁天島、花津浦、極楽寺、祇園社(八坂神社)、小松原、王子山です。
金子みすゞの童謡は、『金子みすゞ全集』(JULA出版局)に収録。
波の橋立 | |
名称 | 波の橋立/なみのはしだて |
所在地 | 山口県長門市仙崎 |
関連HP | 長門市観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR仙崎駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 中国自動車道美祢ICから約37km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 長門市観光政策課 TEL:0837-23-1137/FAX:0837-22-6487 |
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