山形県米沢市大沢にある奥羽本線の駅が峠駅。奥羽本線の福島駅〜米沢駅間は、奥羽山脈の吾妻連峰を越える路線で、峠駅は、標高622mと奥羽本線内で最も高い駅。標高差を克服するために往時にはスイッチバックが行なわれ、峠駅スイッチバック遺構は、経済産業省の近代化産業遺産に認定。
峠駅前の「峠の茶屋 力餅」は駅での立売りも
明治32年5月15日、奥羽南線の福島駅〜米沢駅間の開通とともに峠信号所を設置したことに始まり、8月1日に旅客営業を開始し、峠駅開業。
当時は、蒸気機関車に牽引された客車、貨車がすべてスイッチバックしていました(赤岩駅、板谷駅、峠駅、大沢駅と4駅連続スイッチバックでした/赤岩駅は令和3年3月12日廃止)
昭和24年4月1日に福島駅〜米沢駅間が電化し、特急などはスイッチバックをしないで峠駅を通過するような仕組みになりました。
平成2年9月1日、山形新幹線開業に伴う改軌工事のため、スイッチバックを廃止し、ホームも本線に移設されています。
それ以降「つばさ」が走る峠駅となったのですが、スイッチバック用の折返線トンネルなどが現存しています。
板谷峠のスイッチバック遺構は、すべて雪除けのスノーシェッドが取り付けられていますが、これはポイントを雪から守るための設備。
全長200mにも及ぶスノーシェッドは迫力満点で、天井は蒸気機関車の煤で真っ黒に。
また、駅前には「峠の茶屋 力餅」が健在。
駅開業の2年後から駅での立売りを開始したという歴史ある力餅で、今もホームでの立売りが行なわれています。
峠駅自体も今では秘境駅の仲間ですが、秘湯で名高い滑川温泉福島屋、姥湯温泉枡形屋の玄関駅にもなています。
「奥羽本線板谷峠のスイッチバック」(大沢駅・峠駅・板谷駅スイッチバック遺構)は、「山岳・海峡を克服し全国鉄道網形成に貢献したトンネル建設等の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産に認定。
峠駅(峠駅スイッチバック遺構) | |
名称 | 峠駅(峠駅スイッチバック遺構)/とうげえき(とうげえきすいっちばっくいこう) |
所在地 | 山形県米沢市大沢峠 |
関連HP | 山形県公式ホームページ |
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