南アルプスの開祖碑

南アルプスの開祖碑

山梨県南アルプス市、南アルプススーパー林道途中、北岳の登山口に位置するのが広河原。環境省の設置した「野呂川広河原インフォメーションセンター」横にあるのが、南アルプスの開祖碑です。ウォルター・ウェストン、名取運一、天野久の3人の肖像がレリーフになって刻まれています。

南アルプスの開拓に関わった3人を顕彰するレリーフ

「野呂川広河原インフォメーションセンター」東側のロータリーから芦安、北沢峠へのバスが発着するので、そちらに目がいきがちですが、南アルプスの開祖碑が立つのは、反対側(西側)。
南アルプススーパー林道とからの県道南アルプス公園線の交差点横の園地に配された巨岩に、3人のレリーフが並んでいます。

明治21年に来日、富士山、北アルプスなど在日12年間に日本国内の高峰に登ったウォルター・ウェストン。
明治35年、2回目に来日したウェストンは、3年を費やして、南アルプスの山々を登山(2回目の来日で、偶然にも登山家・小島烏水と印象的な出会いを果たし、「日本山岳会」創設のきっかけとなりました)。
南アルプスの主峰的な存在の北岳に登頂する際、芦安村(現・南アルプス市芦安地区)村長の名取運一を訪れ、登山の案内を依頼。
当時、外国人の登山に反対する意見もあったなか、ウェストンの紳士的な姿勢に感銘した名取村長は、清水長吉ら3人を案内につけ、北岳登頂のサポート。
さらに、明治37年の鳳凰三山登山も援助して、地蔵岳のオベリスク(仏塔岩)の上に立っています。

ウェストンを案内した上高地の上条嘉門次(かみじょうかもんじ)が有名なのに比べ、芦安の清水長吉はまだまだ無名の存在ですが、明治37年、参謀本部陸地測量部の吉村武雄を北岳に案内したのも清水長吉です。
このときも、村長だった名取運一がすべての手配を行ない、60kgもある花崗岩の標柱を山頂に立てることができたのです(9月11日、北岳の標高が3192.4mと測量され、日本第二の高峰であることが判明/平成16年に南の岩盤の方が80cmほど高いことが確認され、再測量し、3193.2mに修正)。

南アルプス登山の記録は、著書『The Playground of the Far East』(邦題『日本アルプス再訪』)に収録されています(有名な『Mountaineering and exploration in the Japanese Alps』/邦題『日本アルプス登山と探検』は、明治24年〜明治2年までの日本滞在中の富士山、北アルプスなどの登山記録で、南アルプスは含まれていません)。

ウェストンに便宜を図り、結果として南アルプスの近代登山の幕開けを果たし、広河原の開発に貢献したのが元芦安村長・名取運一です。

3人目の天野久(あまのひさし)は、野呂川開発の重要性に着目した公選第2代山梨県知事。
野呂川流域総合開発事業を実施し、夜叉神峠に野呂川林道(現・南アルプススーパー林道)を通した知事です。

南アルプスを開拓した人々の功績を後世に残そうと、平成元年、当時の芦安村がウェストンらのレリーフを作り、広河原で除幕式を実施。
これが南アルプスの開祖碑で、毎年6月の最終週の週末には、このレリーフ前で、『南アルプス開山祭』(碑前祭)が行なわれています。

南アルプスの開祖碑
名称 南アルプスの開祖碑/あるぷすのかいそひ
所在地 山梨県南アルプス市芦安芦倉野呂川入
電車・バスで JR甲府駅から広河原行きバスで1時間20分、広河原下車
ドライブで 中部横断自動車道白根ICから約12kmで南アルプス市芦安駐車場、駐車場から路線バスまたはタクシーを利用。南アルプススーパー林道は開通期間中はマイカー規制を実施
駐車場 南アルプス市芦安駐車場(650台/無料)、 早川町奈良田駐車場(300台/無料)、マイカー規制期間以外は冬期閉鎖のため全面通行止め
問い合わせ 南アルプス市観光協会 TEL:055-282-7261
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
広河原

広河原

山梨県南アルプス市(旧芦安村)、南アルプス最奥の集落・芦安側から市営バスに乗り、南アルプススーパー林道(県営林道南アルプス線/マイカー規制を実施)を経て、夜叉神トンネルを抜けると白鳳渓谷。南アルプスの高峰の間を流れる、野呂川が作り出したV字

山梨県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)

山梨県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)

山梨県南アルプス市芦安(あしやす)地区から、夜叉神峠(やしゃじんとうげ)の下を夜叉神トンネルを抜け、野呂川の流れる白鳳渓谷・広河原に達し、さらに仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳鞍部の北沢峠までの林道が、県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)。通

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

おすすめ

よく読まれている記事

こちらもどうぞ