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岩木山「黒うさぎ」(竜の子)雪形

岩木山「黒うさぎ」(竜の子)雪形

津軽富士と呼ばれる青森県の最高峰、岩木山(1624.6m)。岩木山は「雪形の棲む山」として日本一と称賛したのは山岳写真家で、『山の紋章・雪形』の著者、田淵行男。雪解けで岩肌がウサギに見える「黒うさぎ」(竜の子)のほか、田淵行男は、合計24体の雪形を確認しています。

日本最多の42体の雪形がある山

田淵行男『山の紋章・雪形』によれば、津軽平野から見上げる岩木山には、24体の雪形が確認され、農事暦にかかわる雪形のある山(130座以上)では最多の数を誇ります。
岩木山観光協会によれば、「現在では確認されているだけで、42体、さらにハートの雪形など、新発見のものも」とのこと。

雪渓が形を作る雪形を「ポジ型雪形」、雪解け後の山肌が黒く見える部分が形を作るのが「ネガ型雪形」と呼びますが、「黒うさぎ」(竜の子)は、ネガ型。
弘前から眺めた時に、岩木山の右肩に「黒うさぎ」(竜の子)が出現する頃、左肩には、ツバメ、下りうさぎ、鷺(さぎ)、そして「黒うさぎ」(竜の子)の右にも苗モッコなどが現れます。

下りうさぎ出現で、田植えの準備、鷺、ツバメができるとタケノコ(ネマガリタケ)採りの最盛期、「黒うさぎ」(竜の子)は、その変化を見ながら農作業を進めるなど、まさに岩木山の雪形は津軽平野の農業の暦になっているのです。

津軽平野の独立峰だけに、「雪形は見る時期、角度によっても異なるため、名前も色々。それぞれの場所で農事暦として使われてきました」(岩木山観光協会)という歴史を有しており、今も注目度が高いからこそ、「ハートの雪形」など新発見の雪形がネットで話題になることも。
新発見の「ハートの雪形」は、ツバメの雪形の右翼下に現れますが、このツバメの雪形も集落によっては、山羊(やぎ)、上り犬と呼ばれているのです。

青森県気象予報士会・小関英明(東北能開大青森校准教授)さんの研究から「黒うさぎ」(竜の子)の推移と津軽平野の3月~5月の平均気温は密接な相関関係を示し、雪形が農作業の指標(気候を監視する指標)として有効であることが科学的に立証されています(岩木山の消雪が50年間で9日早まっていることも研究で明らかに)。

岩木山
名称 岩木山/いわきさん
所在地 青森県弘前市百沢東岩木山
関連HP 岩木山観光協会公式ホームページ
問い合わせ 岩木山観光協会 TEL:0172-83-3000/FAX:0172-83-3001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

岩木山

青森県弘前市と鰺ヶ沢町(あじがさわまち)の境界に位置し、津軽富士と呼ばれる美しい成層火山が岩木山。深田久弥の『日本百名山』の一座。古来から山岳信仰の山で、標高1624.6mの山頂には岩木山神社奥宮が鎮座しています。8合目からリフトを使えば、

吾妻小富士「雪うさぎ」(種まきうさぎ)雪形

福島市の西方にそびえる成層火山で妻連山の中核、吾妻小富士(1707m)。北東斜面に現れるのは「雪うさぎ」と通称される種まきうさぎ。雪解けとともにウサギの形に雪渓が残り、農業開始の指針とされてきたことから種まきうさぎとして親しまれています。近

鳥海山「パンダ」雪形

秋田県では秋田富士、山形県では出羽富士と呼ばれる鳥海山(2236m)。雪形としては鳥海山の南麓、山形県側からの「種まきじいさん」が有名ですが、近年、秋田県にかほ市から眺めると、パンダの雪形が出現すると話題になっています。雪形は例年5月下旬〜

鳥海山「種まきじいさん」雪形

山形県、秋田県の県境に位置する鳥海山(2236m)。鳥海山南麓、山形県酒田市、遊佐町(ゆざまち)などから眺めると、雪解けの山肌が種を撒く爺さんの姿に見える雪形が、種まきじいさん。例年4月下旬〜5月上旬から出現し、ちょうど農作業を始める頃なの

岩手山「鷲」雪形

南部富士と呼ばれる岩手山(岩手県八幡平市・滝沢市・雫石町)ですが、巌鷲山(がんじゅさん)という名があるように、春、雪解けとともに表岩手側から眺めると、山頂の岩肌が鷲の形(鷲の雪形)になることから、岩鷲山、転じて巌鷲山とも呼ばれていたのです。

 

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