岩手山「鷲」雪形

岩手山「鷲」雪形

南部富士と呼ばれる岩手山(岩手県八幡平市・滝沢市・雫石町)ですが、巌鷲山(がんじゅさん)という名があるように、春、雪解けとともに表岩手側から眺めると、山頂の岩肌が鷲の形(鷲の雪形)になることから、岩鷲山、転じて巌鷲山とも呼ばれていたのです。

農作業の開始を告げる鷲の雪形、雉の雪形

例年は4月上旬頃に現れる鷲の雪形。
岩手山の山頂に鷲の雪形現れると、田植えを開始するなど、農作業の目安になっていました。
盛岡市市街地からも眺めることができるので、4月に盛岡を訪ねたなら、ぜひ確認を。

八幡平市の地酒「鷲の尾」は、文政12年(1829年)創業の酒蔵「わしの尾」が醸していますが、巌鷲山の山麓の湧水を仕込みに使うこと、そして蔵元から眺める鷲の雪形から名付けられたと伝えられています。

岩手山の鷲の雪形は、岩肌が形を現す「ネガ型」の雪形ですが、残雪がキジに見える雉(きじ)の雪形も南面に出現します。
鷲の雪形、雉の雪形が現れると、岩手市民も「もう厳しい寒さの日は来ない」と、安心できるそうです。

岩手山
名称 岩手山/いわてさん
所在地 岩手県八幡平市松尾寄木・滝沢市上岩手山・岩手郡雫石町長山
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岩手山

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