岩木山

岩木山

青森県弘前市と鰺ヶ沢町(あじがさわまち)の境界に位置し、津軽富士と呼ばれる美しい成層火山が岩木山。深田久弥の『日本百名山』の一座。古来から山岳信仰の山で、標高1624.6mの山頂には岩木山神社奥宮が鎮座しています。8合目からリフトを使えば、リフト終点(標高1470m)から山頂までは徒歩40分ほど。

津軽の霊峰は、江戸時代から信仰登山が盛ん

岩木山
「鳳鳴ヒュッテ」から眺める岩木山山頂

山頂は三峰に分かれ、弘前側から見た右側(東側)が巌鬼山、中央が岩木山、左側(西側)が鳥海山となっています。
神仏習合時代、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)で、八百万の神々(やおよろずのかみがみ)は、実は様々な仏が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考えが広まりました。
熊野信仰、日光山信仰、御嶽山信仰、富士山信仰など、日本の霊山にはこうした信仰が根付いていました。
岩木山も、中央の岩木山の本地仏が阿弥陀如来、鳥海山の本地仏を薬師如来、巌鬼山の本地仏を十一面観音とし、合わせて岩木山三所権現(岩木三所大権現)とし、山麓の真言密教の百沢寺(百澤寺/ひゃくたくじ)が信仰の中心だったのです(明治の神仏分離、廃仏毀釈で寺は廃され、岩木山神社になっています)。

岩木山は天明3年(1783年)の水蒸気爆発(噴火場所は鳥海山頂部火口列)では新火口を誕生させています。
近年でも昭和53年に赤倉沢で活発な噴気活動が記録されています。

岩木山
山頂からの眺望、津軽半島と日本海方面

津軽岩木スカイラインを使えばお手軽登山

岩木山
8合目の駐車場を眼下に

津軽岩木スカイラインを利用し、8合目までドライブで到達も可能。
さらに津軽岩木スカイライン終点から、9合目の鳥海山まで夏山リフトが運行しています。
リフト終点から山頂(岩木山)へは夏山シーズンなら鳥海山を経て徒歩40分の手軽な登山ですが、独立峰のため雷など天候の急変も多く、さらに本格的な登山道となるので、しっかりした装備で登頂を。

山頂には、岩木山神社の奥宮が鎮座するほか、岩木山頂避難小屋が建っています。
また岩木山頂西側の御倉石下部には「鳳鳴ヒュッテ」(昭和39年1月、秋田県立大館鳳鳴高校生5人が遭難し、4名が死亡した事故を受けて建設)もあり、いざというときには逃げ込むことができます。

登山道としては岩木山神社からの百沢登山道が歴史的な登拝の道(所要4時間)。
下山にはブナの森を歩いて嶽温泉へ下る嶽温泉コースがおすすめです。

ミチノクコザクラは岩木山の固有種で、雪が融けた7月頃に咲きます。

岩木山
名称 岩木山/いわきさん
所在地 青森県弘前市百沢東岩木山
関連HP 岩木山観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR弘前駅から弘南バス枯木平行きで51分、岳温泉下車。弘南バス岩木山八合目行きに乗り換えて30分、終点下車。さらに岩木山登山リフト7分で鳥海噴火口
ドライブで 東北自動車道大鰐弘前ICから約25kmで岩木山神社駐車場、大鰐弘前ICから45kmで岩木山八合目駐車場
駐車場 岩木山神社駐車場(70台/無料)・岩木山8合目駐車場(300台/無料)
問い合わせ 岩木山観光協会 TEL:0172-83-3000/FAX:0172-83-3001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
岩木山神社

岩木山神社

津軽富士と呼ばれる秀麗な岩木山の麓、弘前市百沢に鎮座するのが岩木山神社。地元では「お岩木さま」、「お山」と親しんで呼ばれる陸奥津軽の開拓の神で、農海産物の守護神。社伝では、宝亀11年(780年)、社殿を岩木山頂に創建したのが始まりという古社

津軽岩木スカイライン

津軽岩木スカイライン

青森県弘前市、津軽富士と呼ばれる岩木山の8合目まで登る山岳ドライブウェイ。昭和40年8月25日に開通した有料道路で、全長9.8kmの間に69ものヘアピンカーブが連続する日本一のクネクネ道。沿線にはブナの原生林が広がり、8合目に近づくと、遠く

岩木山『お山参詣』

岩木山『お山参詣』|弘前市|2023

2023年9月13日(水)~9月15日(金)、青森県弘前市の岩木山で『お山参詣』が行なわれます。「サイギ、サイギ」の掛け声を響かせ、毎年旧暦8月1日、岩木山に集団登拝して御来光を拝むのが『お山参詣』。五穀豊穣、家内安全を祈願する津軽最大の秋

岩木山「黒うさぎ」(竜の子)雪形

岩木山「黒うさぎ」(竜の子)雪形

津軽富士と呼ばれる青森県の最高峰、岩木山(1624.6m)。岩木山は「雪形の棲む山」として日本一と称賛したのは山岳写真家で、『山の紋章・雪形』の著者、田淵行男。雪解けで岩肌がウサギに見える「黒うさぎ」(竜の子)のほか、田淵行男は、合計24体

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ