【全国雑煮図鑑】奈良県「白味噌丸餅きな粉雑煮」

奈良県の雑煮

関西のお雑煮は「味噌仕立て文化圏」。奈良県は、かつおと昆布だしを使った白味噌仕立てで、丸餅を使った雑煮。丸餅は焼かずに入れ、取り出して「甘いきな粉」につけていただくという味わい方です。丸餅を使うのは、「家庭円満」、「物事を丸く収める」、きな粉の黄色は「豊作祈願」といった新年早々の願掛けから。

新年の縁起を担ぐ食文化が、歴史ある奈良に根付いています

奈良県の雑煮
奈良県「白味噌丸餅きな粉雑煮」(画像:NPO法人奈良の食文化研究会)

奈良県の雑煮は、豆腐、伝統野菜の「祝いだいこん」、年末に出回る冬野菜の「金時人参」、里芋、丸餅などが入った白味噌仕立ての雑煮です。
「祝い大根」は、「四十日大根」から選抜した系統で、奈良県、岐阜県などで栽培される伝統野菜。
細くて短い(直径3cm、長さ18cm~20cm)のが特徴(出荷される期間は10日間ほどしかありません/奈良では年末の店頭に並びます)。
関西地方で親しまれている雑煮用の大根ですが、大和野菜認定を機に、縁起の良い「祝だいこん」という名称になっています。

丸餅を使うのと同様に関西の「角が立たないように」、「家族円満で過ごせるように」という縁起を担いだ輪切りの食文化と結びつき、「雑煮大根」とも称されています。
「金時人参」、里芋も角を落とすのが定石。

また、豆腐は白壁の蔵の象徴で、蔵が建つようにとの願いが込められています。
里芋は子孫繁栄の象徴として入れますが、奈良県の東部山間エリアでは里芋ではなく、「人の上に立てるように」という願いから八つ頭を入れています。

祝だいこん
大和野菜認定の「祝だいこん」
うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味~ 奈良県「大和の雑煮」レシピムービー
【全国雑煮図鑑】奈良県「白味噌丸餅きな粉雑煮」
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