【全国雑煮図鑑】 北東北3県の食文化が融合 札幌「鶏ガラだし雑煮」

札幌・雑煮

北海道の開拓時代(明治・大正時代)に200万人が移住したという北海道。大半が東北からの入植者で、故郷の味を伝えることが多いため、多種多様な雑煮があります。そんななかで札幌の雑煮は、一般的には「鶏ガラだし雑煮」。青森・岩手・秋田などにルーツをもつ家々に共通した雑煮です。

出汁に砂糖が入っていて少し甘いのが特徴

札幌・雑煮
これが「つと」

鶏肉で出汁(だし)を取り、ごぼう、人参、油揚げ、椎茸、「つと」など、好みの具材を入れるのが、札幌の「鶏ガラだし雑煮」。
「つと」と呼ばれるナルトの一種で、切り口が渦巻ではなく「つ」の字。
麦わらなどで練り物を包んだ苞(つと)が語源です。
なるとは「茹でかまぼこ」の一種で、「つと」は「蒸しかまぼこ」の仲間。

「鶏ガラだし雑煮」は、醤油味がベースで、すっきりとした味わい。
茶碗蒸しにも砂糖を入れるという土地がらから、出汁にも砂糖が入っていて少し甘いのが特徴。
関東の肉じゃがの汁のような味わいです。
餅は焼いた角餅を使うのが一般的ですが、家庭によっては焼かない場合も。

同じ北海道でも道南では、年末に塩くじらと野菜を煮こんで「くじら汁」を作り、正月三が日に食べる習慣があるなど、各地で異なる食文化があります。

【全国雑煮図鑑】 北東北3県の食文化が融合 札幌「鶏ガラだし雑煮」
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