どんづる峯地下壕をご存知だろうか? 奈良県香芝市にある屯鶴峯(どんづるぼう)は、白い岩肌の広がる奇観がSNSでも話題ですが、その地下には、第二次世界大戦末期に陸軍が掘った秘密基地「どんづる峯地下壕」があります。その地下壕の三次元測量のデータを編集した動画が公開されています。
香芝市公式チャンネルで三次元測量のデータを公開
二上山(にじょうさん)の噴火による火山灰が堆積してできた凝灰岩地形。
その凝灰岩をくり抜いて、高さ約3m、幅3m〜4mの通路が縦横に延び、総延長2kmに及ぶ地下壕が築かれています。
アメリカ軍の本土上陸に備え、大正飛行場(現・大阪府八尾市の八尾空港)の航空総軍戦闘指令所として築かれたもので、陸軍が実際に本土決戦を想定していたこともよくわかります。
終戦間近の昭和20年6月頃から陸軍第十九地下施設隊兵士300人が掘削を担い、突貫工事で掘られていますが、実際に運用されることはなく、終戦を迎えています。
長野県長野市の松代にも、大本営を疎開させるための松代大本営が築かれ、その一部、象山地下壕が公開されていますが、現状では崩落の危険もあるため「どんづる峯地下壕」は非公開です。
公開されている動画を見ると、屯鶴峯特有の凝灰岩の状態、そして普段入ることができない地下壕内部の様子がわかり、必見の価値があります。
まるで巨大迷路! 「どんづる峯地下壕」の三次元動画を公開中! | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |