「日本一短い鉄道トンネル」をレールバイクで走り抜ける！

群馬県東吾妻町、八ッ場ダムの完成で付け替え廃線となった旧・吾妻線（あがつません）の線路（2.4km）を利用し、レールバイクで渓谷を探勝できるのが吾妻峡レールバイク「アガッタン」。その途中には、「日本一短い鉄道トンネル」だった樽沢トンネルがあり、八ッ場ダムを間近に眺めることもできます。

レールバイクで旧・雁ヶ沢駅から八ッ場ダムを目指す

アガッタンは空きがあれば当日も乗車可能ですが、前日までに予約した人の優先乗車。
ただし両側のレールの上に自転車をのせたスタイルなので、2名1組が最低単位、1名乗車はできません。
予約した出発時刻の15分前までに「吾妻峡周辺地域振興センター」で受付を済ませ、まずは乗車の説明を受けます。
15分前までに到着できない場合はキャンセル扱いとなるので注意が必要（すべてのトロッコが一斉にスタートするため）。

事前説明が終わると、受付場所から徒歩3分のところにある「アガッタン」発着場・雁ヶ沢駅に向かいます。
「アガッタン」とは、吾妻線（あがつません）とレールバイクの愛称「ガッタン」の合成語。
マウンテンバイク（自動アシスト付き自転車）と2軸4鉄輪台車を組み合わせたレールバイク（自転車型トロッコ）。

マウンテンバイクをレールにのせてこいでいくもので、身長130cm以上であれば手軽に運転もできます（中学生以上なら単独乗車も可能／脱線する危険もまずありません）。
身長130cmに満たない幼児は補助椅子に座ります。
2人〜4人で乗車できるシステムで、しかも走行中は一番後ろからスタッフが専用バイクで追走するので、トラブル時の心配もありません。
走行中はヘルメットの着用が義務付けられています（ヘルメットの貸し出しがあります）。

2014年9月と廃線から間もないため、踏切、橋梁、トンネルなどの鉄道設備も昔のままに残存。
全長104mの松谷トンネル、「日本一短かい鉄道トンネル」だった樽沢トンネル、全長432mの道陸神トンネル（どうろくじんとんねる）を抜けると、八ッ場ダムが見えてきます。

スタートから15分で転回場所となる吾妻峡八ッ場駅に到着します。
ここで追走してきたスタッフが方向転換を行ない帰路につきます（片道だけの利用もできます）。

吾妻峡八ッ場駅での乗車も可能ですが、景観的にも雁ヶ沢駅乗車がおすすめです。
グリーンシーズンは1日5便、11月中旬～12月上旬は1日3便。
乗車料金は、3人乗り用トロッコ、4人乗り用トロッコの貸し切り料金となります（「4人乗り」に2名、3名で乗車した場合でも、「4人乗り」の料金）。

冬季（12月上旬～3月下旬）は休業。
新緑、紅葉シーズンはおすすめです。

JR吾妻線・岩島駅からだと「吾妻峡周辺地域振興センター」までは2.5kmほどあり、駅にタクシーがないので少し不便なのが難点です。
紅葉シーズンには例年、吾妻渓谷シャトルバス（岩島駅〜道の駅あがつま峡〜吾妻峡八ツ場広場）も運転されています。