愛知県知立市八橋町にある臨済宗妙心寺派の寺、無量寿寺。『伊勢物語』で在原業平(ありわらのなりひら)とおぼしき主人公が東下りの途中「唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」との歌を詠み都を偲んだと伝わる場所に建つ寺。寺伝では慶雲元年(704年)創建という古刹です(創建時の名は慶雲寺)。
5月には『史跡八橋かきつばたまつり』が行なわれる
弘仁12年(822年)、 密円がこの地に移し、真言宗の無量寿寺となったのだとか。
江戸時代後期の文化2年(1805年)、福岡藩士の三男として生まれ、妙心寺の僧となった方巌売茶(ほうがんばいさ)は、江戸で茶を売っていましたが、『伊勢物語』ゆかりの地、三河国八橋の寺が荒廃しているのを見て再興。
その際に臨済宗妙心寺派となりました。
境内の庭園には約3万本のカキツバタが植栽されていますが、庭園として整備されたのは江戸時代に方巌売茶の手によるもの。
現在の八橋の地名は「水ゆく河の蜘蛛手なれば橋を八つわたせるによりて」という『伊勢物語』の一節に由来しています。
花札の5月札『杜若に八橋』(『菖蒲に八橋』とも)もこの三河八橋のこと(ただし、花札では菖蒲と誤解していますが、菖蒲は川べりには咲かないため、杜若とするのが正解)。
毎年5月の開花期には『史跡八橋かきつばたまつり』が行なわれ、大勢の見学客で賑わいをみせます。
無量寿寺 | |
名称 | 無量寿寺/むりょうじゅじ |
所在地 | 愛知県知立市八橋町寺内61-1 |
関連HP | 知立市公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄三河線三河八橋駅から徒歩8分。または、名鉄名古屋本線新安城駅からタクシーで8分 |
ドライブで | 伊勢湾岸道豊田南ICから約10km |
駐車場 | 10台/無料、かきつばたまつり開催期間は有料駐車場開設 |
問い合わせ | 無量寿寺 TEL:0566-81-4028 |
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