愛知県常滑市、知多半島、伊勢湾に臨む大野湊は中世には佐治水軍(知多水軍)の拠点として栄え、伊勢湾の海上交通を支配していた地。江戸への廻船を63隻も保有する尾張藩一の湊町だった繁栄を今に伝えるノスタルジックな大野湊跡・尾張大野の家並みが現存しています。
尾張国の海上交通の拠点として栄えた湊
濃尾平野を拠点に天下を制した織田信長や豊臣秀吉も大野湊を重視し、織田信長は妹・お犬の方(おいぬのかた)を大野城主・佐治信方に嫁がせ、秀吉もお江(浅井三姉妹のひとり、後に徳川秀忠の正室に)を佐治一成(さじかずなり=佐治信方・お犬の方の嫡男)と政略結婚させています。
近世には、江戸と尾張・西国を結ぶスピードの速い知多廻船の拠点となり、尾張藩から廻船総庄屋を命じられた中村権右衛門は、熱田の東海岸から知多半島の全海岸という広範な海域を仕切っていました。
常滑街道、矢田川に架る大野橋周辺が往時の大野湊の中心で(矢田川河口を利用した湊)、一帯に中村権右衛門をはじめ、本陣も務めた豪商・浜島伝右衛門(はまじまでんえもん)、木綿の商いで財を成した綿屋六兵衛、木綿買次問屋の大黒屋杉山利兵衛などの商家が建ち並んでいたのです。
『尾張名所図会』にも登場する「一口香」で有名な菓子屋「湊屋」も近年、店を閉めています。
大野村の庄屋で酒造業を営んだ平野家の邸宅には大野では唯一現存する卯建(うだつ)が上がっています。
NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』で小督(お江)がわずか10歳で佐治一成に嫁いだと城として注目された大野城は、大野湊南東の高台に。
現在は城跡が城山公園として整備され、天守を模した展望台があります(眼下に伊勢湾の大パノラマが展開)。
北側(知多市側)にある大草公園は、織田信長の弟、織田長益(有楽斎)が着手し、未完だった城、大草城跡。
天守を模した展望台からは伊勢湾を一望できます。
大野湊跡・尾張大野の家並み | |
名称 | 大野湊跡・尾張大野の家並み/おおのみなとあと・おわりおおののいえなみ |
所在地 | 愛知県常滑市大野町 |
関連HP | とこなめ観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄常滑線大野町駅から徒歩6分 |
ドライブで | 知多横断道路常滑ICから15分 |
駐車場 | 大野橋西北角駐車場、大野海水浴場駐車場を利用 |
問い合わせ | とこなめ観光協会 TEL:0569-34-8888/FAX:0569-34-8880 |
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