愛知県犬山市を流れる木曽川沿岸には桃太郎伝説が残されていますが、その伝説を伝えるのが桃太郎神社。鬼退治をした桃太郎は桃の実から現れた大神実命(おおかむづみのみこと)であると伝えられ、祭神として祀られています。珍しい桃の形の鳥居、そしておばあさんが洗濯をした洗濯岩などがあります。
昭和2年、東京日日新聞と大阪毎日新聞が鉄道省の後援を受け、「昭和の新時代を代表する勝景を新しい好尚によって選定」するという主旨で選んだ「日本八景」(日本新八景)に、河川を代表する景勝地として木曽川が選定(海岸=室戸岬、湖沼=十和田湖、山岳=雲仙岳、渓谷=上高地、瀑布=華厳滝、温泉=別府温泉、平原=狩勝峠、河川=木曽川)。
翌昭和3年に桃太郎神社建設が始まりました。
昭和4年には当時活躍していた鳥瞰図作家の吉田初三郎(関東大震災後に犬山に移住)が『桃太郎発祥伝説地の一考察』を発表し、「桃太郎伝説は美しい日本ラインの犬山こそがもっともふさわしい」と主張し、日本一桃太郎会が発足。
昭和5年に桃太郎神社創建されたのです。
一連の動きに呼応するかのように、木曽川の桃太郎伝説に感銘した野口雨情は、「どこで生まれた桃太郎さんはコラサ 日本ラインの片ほとりヨ 尾張の犬山一里ゆきゃ 栗栖の河原の古屋敷 サッテモどうじゃいなエンヤサ 」という『桃太郎音頭』を作詞し、小さな村が桃太郎で染まったのです。
祭神の大神実命は、本来、大いなる神のみ(霊威)の意味ですが、大いなる神の実と解釈して鎮座。
例祭も5月5日に『桃太郎まつり』として盛大に斎行されています。
境内に置かれた、少しシュールでキッチュなコンクリート像は、東海地区では群像作家として有名な浅野祥雲(あさのしょううん)の作品と話題に尽きない神社になっており、昭和初期の地域活性で生まれた神社は、見事に目的を達成しています。
桃太郎神社 | |
名称 | 桃太郎神社/ももたろうじんじゃ |
所在地 | 愛知県犬山市栗栖大平853 |
関連HP | 犬山市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄犬山遊園駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 中央自動車道小牧東ICから約13km |
駐車場 | 200台/無料 |
問い合わせ | 桃太郎神社 TEL:0568-61-1586 |
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