寒風山回転展望台

男鹿半島(おがはんとう)の付け根、寒風山の頂上にあるのが寒風山回転展望台。その名の通り展望室が回転し、座ったままで360度のパノラマが楽しめます。一周は13分。標高354.8mの寒風山は、芝生で覆われた小高い丘といった感じで、高さはそれほどでもありませんが、展望台からは男鹿半島の全容を一望にします。

男鹿半島の全容を眺望する回転展望台

晴天時には、遠く白神山地や鳥海山も眺望。
寒風山回転展望台の館内は1階が売店、レストラン、2階が八郎潟干拓当時の写真を展示するホール、3階が男鹿半島の自然や歴史を紹介する資料展示室、4階が回転展望室になっています。

江戸時代の紀行家・菅江真澄が「三千世界まなこのうちにつきなん」(三千世界を一望のうちに尽きる)と絶賛した景色を楽しみながら稲庭うどん、男鹿しょっつるやきそば、ハタハタ蒲焼き丼、比内地鶏の親子丼、あんぷら餅などの食事ができるスカイレストラン「ファミリオ」も営業。

ちなみに菅江真澄の描いた寒風山の絵には、山頂(薬師長根)に九層の塔が描かれています。
江戸時代には高さ8尺ほどの塔があったため、塔の峰とも呼ばれていましたが、塔は1810(文化7)年の男鹿大地震で倒壊。

『日本風景論』の志賀重昂は「世界三景」に選定

妻恋山とも呼ばれた寒風山。
山の頂には、戦国時代の脇本城主・安東脩季(あんどうながすえ)が尊崇したという薬師堂が鎮座しています。
寒風山は火山で、山頂周辺には水蒸気爆発で誕生した第一火口、第二火口の2つの火口もあるのでお見逃しなく。
日本ジオパーク認定の「男鹿半島・大潟ジオパーク」のジオサイトとなっています。

菅江真澄は、1810(文化7)年8月17日、男鹿大地震の当日、ちょうどその場に居合わせ、
「17日 野村という処に至るに ひるつかた地震大にふりたり 暮行ころ 又いささかの なへふりぬ」
と記しています。

『日本風景論』の志賀重昂が選んだ「世界三景」
地理学者で『日本風景論』の著者・志賀重昂(しがしげたか)が大正2年9月に寒風山を訪れ、アメリカのグランドキャニオン、ノルウェーのフィヨルドと並ぶ「世界三景」と賞されるほど風光明媚な山として紹介。
『日本風景論』では、寒風山を「山頂に円形なる旧火口あり、周囲一里あまり、全山輝石 安山岩より成る、沿岸は、日本海の怒浪岩石を撃ち、風光の跌宕なる東北に冠絶」と絶賛しています。
寒風山回転展望台
名称 寒風山回転展望台/かんぷうざんかいてんてんぼうだい
所在地 秋田県男鹿市脇本富永寒風山62
関連HP 寒風山回転展望台公式ホームページ
電車・バスで JR脇本駅からタクシーで15分
ドライブで 秋田自動車道昭和男鹿半島ICから約23.4km
駐車場 100台/無料
問い合わせ 寒風山回転展望台 TEL:0185-25-3055/FAX:0185-25-3225
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

寒風山

2017年7月24日

 

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